編集部:「現在の家庭での食事もメインは和食ですか?」
安選手:「そうですね。家で食べる時はご飯と豚キムチいためとか。メニューは奥さんに任せています。大体好きな食べ物をわかっていますし。
母からはよく、キムチの救援物資が届くんです。チャンジャとかも。母は本当に食を大事にしているので、『まだある』と言っても食べ物が届くんです。」
編集部:「お子さんも、もうしっかり食べられているのですか?」
安選手:「子どもはしっかり食べるんですけど、好ききらいが多いんです。野菜を全く食べなくなってしまって。」
編集部:「なにか、奥様とご相談をしましたか?」
安選手:「もうすぐ4歳なのですが、とりあえず何やっても食べないので、もうちょっと成長するのを待とうかと話しています。」
ひさこ先生:「成長の過程で、そういう時期かもしれませんね。野菜が少ないお家だと、子供の偏食(へんしょく)を直すのはなかなか大変ですが、食環境がそれだけきちんとしてらっしゃれば、心配ないかもしれません。」
安選手:「そういう時期なのですかね。」
編集部:「今、サッカーをやっている子ども達に、何かメッセージをいただけますか?」
安選手:「子どもたちは、サッカーが好きで今やってる子が多くいるので、何よりもサッカーを思いきり楽しんでやってほしいですね。上手になるために、一所けんめい努力してほしい。」
編集部:「保護者などまわりの人は、どんなサポートが必要でしょうか? 安選手ご自身が、このような支えがあって助かったというお話などありますか?」
安選手:「そうですね。色々助けられた部分もあります。でも逆に、あまりサポートし過ぎない方がいいんじゃないかな。
もちろん食事などは子どもたちだけで、というのは無理ですが、なんでも手取り足取り全てやってあげたら、子どもがやるべき事が出来なくなってしまう。やっぱり自分で乗り越えなきゃいけないこともありますし、そこは子どもを信じて、尊重(そんちょう)してくだされば良いのでは、と。
僕は、サッカー頑張れとか、選手にならなきゃダメだとか言われたことないです。勉強に関しても、宿題しなさいとかうるさく言われなかった。やらされてやるのではなくて、自分で自主的にやるのが子どもにとっては一番いい。」
編集部:「サッカースクールを立ち上げられた経緯(けいい)を教えてください。」
安選手:「子どもたちとボールを蹴る機会が結構ありまして、彼らといっしょにいると初心に帰れる。夢を信じて疑ってない彼らは、何にでもなれるような目をしている。そういう子どもたちに、夢はかなうんだよ、っていう事を伝えたい。夢を持って生きることが何よりも素晴らしく幸せな時間だと思うので、そういうスクールを作ろうと思いました。
もう一つは、僕は在日のコリアンとして育ってきたので、幼いころは日本の子どもと接する時間があまりなかった。何か距離感みたいなものを感じていました。日本の大学でサッカー部に入った時、初めて日本の人達と仲間になりチームメイトになった。やっぱりサッカーが人と人とをつないでくれるんだ、って実感しました。パスを交換するだけで、心も通い合える。日本の子も在日コリアンの子も他の国籍の子も、いっしょに同じ場所でボールを蹴る場を作りたかった。それが理念です。すごく楽しくやっています。可能性も感じています。」
編集部:そういう環境(かんきょう)作りが大事ですね。本当にご成功をおいのりしています!
色紙には力強い文字で「夢は叶(かな)う!」と書いた安選手。サッカーを通していろいろな国の子どもたちが心を通わせる場を作りたい、という安選手の夢を、私たちも力いっぱい応えんしたいと思います!
1978年10月25日、岡山県倉敷市生まれの在日コリアン3世。
2002年より、アルビレックス新潟でプロキャリアをスタートさせる。同年、母国である朝鮮民主主義人民共和国代表に初選出され、2005年には、ワールドカップ・ドイツ大会アジア地区最終予選で日本と同じグループになり、日本中でも大きく注目され、いちやく時の人となった。
2010年には、念願であったワールドカップ(南アフリカ大会)への出場。2013年には「ヨーロッパ移籍」を叶えるため、ドイツやスペインへ渡り欧州でプレーするクラブを探す「浪人生活」をし、2014年横浜FCにて、選手生活を再スタート。現役選手として活躍中。
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