編集部:「中学・高校時代の食事に関するアドバイザーはお母様ですか?」
安選手:「そうですね。母は在日コリアンですが、食に関しては朝鮮・韓国の方々って日本の方より食に対する想いが非常に強い気がします。年配の方から若い人にあいさつで声をかける時はハングル語で『パン モゴッソ(ご飯食べた?)』って言うくらい、食が生活の、人生の中心にあるという感じ。とりあえず、あれ食べろ、これ食べろ。ご飯を食べ終わっても、お菓子食べろ、フルーツ食べろ、あれ飲め、これ飲めってもうすごくて。そういう環境で育ったので、やっぱり人並み以上に食べていたっていうのがありますね。」
編集部:「いろいろな料理が出るから、かたよってないんですよね。」
安選手:「幼いころからたまに朝鮮人参なども出てきました。」
編集部:「朝鮮人参は、どうやって食べるんですか?」
安選手:「そのまま食べたり、粉末にして食べたり。やっぱり元気が出るんじゃないですか、健康食品なので。丸ごとサムゲタンなんかにも入っていて、スタミナがありましたね。」
編集部:「大学時代は寮(りょう)生活ですか?」
安選手:「はい、寮に食堂がありました。寮の食事はあげ物が多かったので、なるべく多く食べないようにしていましたね。フライとか衣とかは、全くではありませんが、あまり多くはとらない。」
ひさこ先生:「すごい! やめるとかさけるとかじゃなくて『多くはとらない』って表現は素晴らしいです。」
安選手:「脂質というのも、やっぱり必要なものですから、カラダ作りのためにはやはり食べないと、はい。」
ひさこ先生:「よく考える人ほど、脂質をさけようという傾向(けいこう)が強いんです。でも、特に成長期の子どもたちにとっては、細胞膜(さいぼうまく)の材料は脂質だし、成長ホルモンのもとも脂質がないと出来ない。さらに、脂溶性(しようせい)ビタミンの吸収にも、脂質は欠かせません。しかし、脂質は“おいしさ”にもつながることがあるため、意識しないととり過ぎてしまいます。そんな意味からも、安選手が『多くをとらない』という表現をなさることはとても立派と言えます。」
編集部:「成長期の、一番よく食べる時期は学生時代でしたか?」
安選手:「大学を卒業して、プロになってからもよく食べていましたね。プロ1年目の新潟時代は、毎回ではないですけど定食を2つ食べていました。お店の人に『さっき注文しましたよね』って言われたこともあった。
一般(いっぱん)的なレベルではすごく食べている方なんですが、食べるのが足りないと体質的に体重が落ちてしまうんです。そこで補食(ほしょく)という形で、とるようにしています。」
ひさこ先生:「そうやって、ちゃんと毎日体重をチェックされているのですね。『食べたものでからだは作られる!』と言われているくらいですから、体重を計測しながら、自分の体と向き合うのはすごいことですね!」
安選手:「はい、やっぱりまだまだ大きな目標がありますから。」
和食と朝鮮料理の両方を好ききらいなく食べて、スタミナをつけた安選手。その食生活が、現在のプロとしての活躍につながっているのですね。
後編は、プロサッカー選手になってからのお話を伺います。
どうぞお楽しみに!
乞うご期待!! 次回更新日12月15日(予定)
1978年10月25日、岡山県倉敷市生まれの在日コリアン3世。
2002年より、アルビレックス新潟でプロキャリアをスタートさせる。同年、母国である朝鮮民主主義人民共和国代表に初選出され、2005年には、ワールドカップ・ドイツ大会アジア地区最終予選で日本と同じグループになり、日本中でも大きく注目され、いちやく時の人となった。
2010年には、念願であったワールドカップ(南アフリカ大会)への出場。2013年には「ヨーロッパ移籍」を叶えるため、ドイツやスペインへ渡り欧州でプレーするクラブを探す「浪人生活」をし、2014年横浜FCにて、選手生活を再スタート。現役選手として活躍中。
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