編集部:「食生活やサッカーで子どもたちへアドバイスはありますか?」
川口選手:「サッカーが上手くなりたい、サッカー選手になりたいという思いがあるなら、何でも好ききらいなく食べることですね。」
ひさこ先生:「そうですね、私も全く同感です!理由の一つ目は、『食べたものが身体をつくる材料』なので、しっかり食べていれば大きくなれます。二つ目は、『食べたものがエネルギーの素』なので、しっかり食べていればバテずに練習や試合に取り組めますし、つかれの回復も早い。そして、三つ目は、いつ代表に呼ばれて、どこの国に行っても、“何でも食べられる力”は大きな武器だと思うからです。」
編集部:「ご自身の経験から、そのために親が出来るサポートとは?」
川口選手:「僕も子どもがいるのですが、子どもってなかなか野菜を食べられないじゃないですか。僕の母がしてくれたように、カレーの中に野菜を入れたような工夫をしてあげて欲しいですね。7歳になるうちの子もブロッコリーやピーマンが食べられるようになってきました。ピーマンを克服するのは最後かなと思ったのですが、うちの奥さんがいためて食べやすいような味つけをしたら、大好きになって。今は唯一、トマトがダメなので、無理矢理食べさせています(笑)。
一般的に良いと言われる物は子どもに食べさせた方が良いし、苦手な物があれば食べやすい味付けにしてあげるのが大事かなと思います。」
ひさこ先生:「きらいなものを小さく切るなど調理に工夫をされているお母様も見受けられますが、私は混ぜて分からなくして出すよりも、“食べやすい味付け”にして、嫌いなものでも食べられるよ!と自信をつけて、そして徐々に好きになるようにしていくのが良いのでは?と思っています。その意味でも川口選手のお母様や奥様のような取り組み方は理想的ですね。」
編集部:「最後にゴールキーパーの選手にアドバイスをもらいたいのですが、負けた時にば声をあびる事が多く、やめちゃう子が多いと聞きます。長年、キーパーをやられている川口選手はどのような意識でそうした声と向き合っていますか?」
ひさこ先生:「身長を伸ばしたいというジュニア選手は確かに多いですね。ただ身長に最も影響(えいきょう)を与えるのは“遺伝(いでん)”なのですが、食事や睡眠時間でも大きく関わると言われています。」
川口選手:「子どもの時に、一つ上の学年のチームでキーパーをやっていたのですが、点をとられたら、上級生に『へぼキーパー』とか、『やめちまえ』とよく言われていました。イヤな思いというより、サッカーを楽しんでいた思い出があるし、自分も言い返していたんですよね。言われて落ち込むんではなく、『俺だってやっているんだから、お前らもやれ!』と言い返すような強い気持ちが大事だと思います。思っているだけじゃなく、言い返しても良いと僕は思いますよ。」
色紙に書かれた言葉は「苦は楽の種」。数々の苦労をしながら、今まで活やくし続けてきた川口選手だからこその言葉だと思います。
ためになるお話、ありがとうございました!
取材日:2014/03/26
写真提供:FC岐阜
9歳からサッカーを始め、小学校4年生の頃から本格的にG Kとしてプレー。清水商業高校3年時には全国高校サッカー選手権で日本一になるなど輝かしい学生生活を送る。横浜マリノス入団後も2年目からスタメンの座を掴み、新人王を受賞し、五輪代表、フル代表も経験した。イングランドとデンマークでのプレー経験も持つ。
2001年4月に設立。
チーム発足後、2002年に運営母体となるスティックルバック・スポーツクラブ(SSC/大垣市)が結成され、全国でも珍しい総合地域型スポーツクラブを目指して、特定非営利法人(NPO)として活動を始めた。
その後、株式会社岐阜フットボールクラブが設立され、2007年に日本フットボールリーグ(JFL)に昇格すると、3位以内に入り、Jリーグへの昇格を決めた。
2008年より、念願のJリーグディビジョン2での戦いが始まり、Jリーグディヴィジョン1への昇格に向けて、新たな挑戦が始まった。
公式サイト:http://www.fc-gifu.com/