スポーツ食育インタビュー

Vol.14 プロバスケットボールチーム「NBL 千葉ジェッツ」 上江田勇樹選手

食事は試合の2時間前。水分補給もしっかりと!
インタビューを受ける上江田勇樹選手

編集部:「試合当日はどんな朝ごはんを食べていますか?」

上江田選手:「最近はシリアルに牛乳が多いです。ヨーグルトはたまに買って食べます。遠征(えんせい)でホテルのバイキングに置いてあると、必ずとりますね。ところで伊藤先生、試合の時に絶対とった方がいい食べ物はありますか?」

伊藤先生:「試合の前には、スタミナが長く続くように、ご飯やめん類などエネルギー源となる炭水化物を中心にすると良いですよ。」

編集部:「特にスタミナが必要なバスケットボール競技で、食事で気をつけている事は?」

上江田選手:「朝食はしっかり食べるようにしています。それから試合の2時間前には食事をすませる。もしその後お腹が空いたら、栄養ゼリーを飲むようにしています。特に試合の日は、胃に重くない物、麺類などを。」

伊藤先生:「油は胃に残っている時間が長いので、胃がもたれたりしますよね。炭水化物を選ばれているのはさすがです! また、直前に食べると消化が間に合わず体が動きにくくなってしまいます。試合の時には胃がからっぽの状態になるように、時間をあけて食事をすませておきたいですね。」

上江田勇樹選手

編集部:「食事のとり方はどうやって学ばれたのでしょうか?」

上江田選手:「プロになってから、試合だと移動や練習時間も考えると、逆算して大体2時間前にとるのがベストだと指導され、実せんしてみてそれがちょうど良かった。栄養指導は、トレーナーからたまにアドバイスを受ける程度です。」

編集部:「水分補給(ほきゅう)はどうされていますか?」

上江田選手:「結構こまめに水分補給します。試合の時は、アップ前に経口補水液(けいこうほすいえき)を350mlを1本飲んで、試合直前にもう1本飲む。足がつる事が多かったのですが、水分補給に気を付けてからは、足がつる事も減りました。スポーツ飲料も飲んでいましたが、甘いと量がそう飲めないので。」

伊藤先生:「試合中に汗を大量にかくことでミネラルが失われると足がつりやすくなります。経口補水液を利用して、水分とミネラルを補給したことで改善されたのかと思います。」

編集部:「海外での食事では、意識して食べるようにしている物などありますか?」

上江田選手:「国によってちがうので、その中で自分がしっかり食べられて栄養があるものを意識して選んでいます。日本の代表として数名で行った時は、他にサポートもなく自己責任なので、特に体調をくずさないものを、しんちょうに選びながら食べるようにしていました。」

編集部:「海外の選手たちの食生活や健康への関心など、何か感じたことはありますか?」

上江田選手:「食事はこだわっていて、一つひとつ、それが何なのかを確認しながら食べていると感じます。肉だったら脂身の少ない方を選んで食べたり。焼き肉店に行ったら、カルビよりロースやハラミをよく焼いて食べています。」

伊藤先生:「脂身が多い肉はやわらかくて美味しいですが、脂質のとり過ぎにもつながります。脂質も体に必要な栄養素ですが、脂身の少ない肉を選べば体をつくるタンパク質もしっかりとれるので、オススメです。」

しっかり食べて、体を作ることが一番大切!
上江田勇樹選手と伊藤真理子先生

編集部:「バスケットボールの面白さを教えてください。」

上江田選手:「ほかの競技とくらべて、たくさん得点が入るので観ていても楽しいし、やっていてもシュートチャンスが多く楽しいですよ! 流れが速い、動きが激しい面白いスポーツです。自分にとっては、もう生活の一部。バスケをやってきた事で、コミュニケーション能力が上がり周囲をよく見る事ができるようになりました。ふだんの生活でも、周りの状況判断(じょうきょうはんだん)ができる事は、プラスになります。」

編集部:「子どもたちにアドバイスをお願いします。」

上江田選手:「やっぱりごはんをたくさん食べないといけないと思います! 食べた分だけ栄養になるから、身体を大きくしたり、骨を強くするためにも、小さいころはトレーニングよりも、とにかく食べる事の方が大切。体は食べたものでできているので、大きく強い体をつくるためにも、しっかり食べることが重要ですね!
バスケに関しては、楽しむ事ですね。楽しくないと向上もしません。あとはがむしゃらにボールを追っかける!」

編集部:「保護者の方に、家族ができるサポートを教えてください。」

上江田選手:「僕の場合ですが、親は試合は応えんしに来てくれるけど、勝っても負けても変わらず接して、ただだまって見守ってくれていました。そのおかげか何でも自分で考えて、進路も決められるようになったと思います。」

色紙には、よく考えてから大きく「飛躍」(ひやく)と書いた上江田選手。今まで経験した苦労や努力は語らず、常に向上心を持って躍進(やくしん)されてきた上江田選手ですが、さらに上をめざしているという事でしょうか。
上江田選手の今後ますますの「飛躍」を期待し、応えんしていきたいと思います!
取材日:2014/1/29
写真提供:千葉ジェッツ
選手&チームのご紹介
上江田勇樹(うえたゆうき)選手

中学校で沖縄県優勝、県の選抜選手に選ばれ、高校ではU-18日本代表。興南高校から日本大学に進学し、インカレ日本一に。
卒業後の2010年、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズに加入。 1年目からスターター、ファン投票ポジション別3位の人気選手。
2013年、千葉ジェッツに移籍。

上江田勇樹ブログ
http://ameblo.jp/chosen1-king/

千葉ジェッツ

千葉県を本拠地(ほんきょち)として活動。年間110回をこえる地域イベントを行う地域密着のチームである。2011年bjリーグに新規参入、2シーズン目にはプレーオフ進出を果たす。3シーズン目を迎える2013年、日本の最高峰(さいこうほう)リーグNBLに参入。スローガンにチーム、組織、ブースター(ファン)の気持ちが一つだということを意味する「ONE ~1 Team, 1 Family, 1 Mission~」を掲げ、現在プレーオフを目指して邁進(まいしん)中。

「千葉ジェッツ」公式サイト
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