編集部:「引退後は、子どもたちの指導をする立場になったと思いますが、今子どもたちに伝えていきたいことはなんですか?」
大山さん:「私は学生時代、ストレッチなど練習後のケアをおこたっていた部分があったんです。自分は大丈夫、と思っていた。そのときからキチンとケアしていれば、もう少し息の長い選手になっていたかもしれません。何よりケガをすると、大好きなバレーができなくなるから、すごく辛い。そんな思いは、子どもたちに味わってほしくない。だから子どもたちには、体のケアの大切さを伝えるようにしています。最近は朝ごはんを食べない子どもが多いみたいですけど、それは親に責任があると思うので、そこはちゃんとしてあげてほしいな。」
ひさこ先生:「大山さんが触れたくない部分を紹介してまで伝えて下さったこと、無駄にしたくないですよね。朝食についても、親が子どものために食事を作ってあげられる時期って、すごく短いんですよね。私はよく、家族は最強のサポーターだと言うのですが、家族だからできること、家族しかできないことの一つが、食事なんです。」
編集部:「では、保護者の方へのメッセージをお願いします。」
大山さん:「私の両親は、小さい時からいつも試合を観に来てくれたけれど、『ああしろ、こうしろ』というダメ出しは一切しなかった。ただ私たちを応えんしてくれて、オリンピック選手になるという私の夢を、一緒になってかなえようとしてくれました。どうか保護者の方には、子どもの夢を信じてあげて欲しい。それが一番大切だと思います。」
編集部:「スポーツをがんばる子どもたちにもメッセージをお願いします。」
大山さん:「私は運動神経が良くなかったし、体も弱かった。それでもオリンピック選手になれたのは、『夢はかなうんだ』と信じる思いが強かったから。夢を持って、夢をかなえる努力を続けてください。はじめから『無理だ』とあきらめないで。誰でも、何にでもなれる可能性を秘めています。がんばってください。」
編集部:「最後に、大山さんのこれからの夢を教えてください。」
大山さん:「小学生のバレーボールチームを持ちたいですね。勝つこと、強くなることだけを目標にするのではなく、バレーの楽しさを教えられるようなチーム。仲間と協力する、チームワークの大切さを伝えられるような、そんなチームを持ちたいです。」
ひさこ先生:「大山さんのお話を聞いてると、本当にバレーボールが大好きなんだということと、説得力のあるご自分の経験を披露して下さる姿に“バレーボール愛・スポーツ愛”を感じました! そんなスポーツに出会えて、幸せね。」
大山さん:「はい。私は本当にバレーボールに出会えて良かったと思っています。そう思える子どもたちが一人でも増えるように、これから活動していきます!」