編集部:「現在は指導者として活動されていますが、選手達に食事についての指導もなさっているのですか?」
立花さん:「今私がみているのはジュニアですが、どちらかと言うとやせてほしいと思う子が多いです。中高生は太りやすい時期でもあり、体重を落とさないといけない子が多いですね。意識改革(かいかく)が必要です。」
ひさこ先生:「シンクロの選手だからいっぱい食べなきゃ、という意識があるから太ってしまうとか?」
立花さん:「いいえ、それはないです。もうジュニアの日本代表に入っている選手なので、そういう意識はついているはずなんです。栄養指導も受けているし、わかっているはず。それでも、ふとした瞬間に消費した以上の量を食べ過ぎてしまったりするのでしょう。」
編集部:「選手たちに、食について選手に伝えたいことはありますか?」
立花さん:「私が指導している選手は、食に興味がないように感じます。くわしい知識まではないにしろ、食べたらどんな効果が出るとか、自分の体がどう変わるかとか、もう少し興味をもって楽しみながら意識してほしい。知ろうという気持ちが大事ですね。興味がないと、自分の変化にも気付かない。自分なりに興味を持てば積極的に取り組めます。」
ひさこ先生:「食に興味がないということは、日本代表クラスの選手だと、とてももったいないことですね。」
立花さん:「まずは積極的な姿勢を持って、自分の気持ちを動かしてもらいたい。心の負担(ふたん)にならないように、自分で食べ方を考えてほしい。私も今は、そう言えるように変わりました。」
ひさこ先生:「私は、ふだん関わっているサッカー選手や大学生に『食事は練習の総仕上げ』と伝えています。食事をストレスに感じず、食事と楽しんで付き合える立花さんはすごい!選手としての経験をふまえ、指導者として食事の大切さを伝えてくださっているのは、栄養士としてもとてもうれしく思いました。」
立花さん:「シンクロを始めた頃と、後半の頃とはすごく変わりました。選手として自分でどうにかしないと、と思うと、技術だけでなく、食事で次の日の体調とかパフォーマンスも変わりますから。」
編集部:「最後に、子どもたちと保護者の方に、にアドバイスをお願いします。」
立花さん:「食は自分の成長過程に一番影響してくるものなので、最初は何を食べたらいいかわからないと思いますが、お母さんにも協力してもらいながら食に興味を持ってほしい。
朝ごはんを食べて来ない選手が結構多く、頭がもうろうとしたまま、しっかり練習できないでいる。“ごはん=身体”だということを、意識してください。
そして自分自身を知ること! ただ漠然(ばくぜん)と練習するのではなく、これは何のための練習で、自分でどうこなせばよくなるのか、自分で考えてほしいですね!
そして保護者のみなさまへ。小さいお子さんほどお母さんが一番! だからお母さんをはじめ、保護者の方々も食事について勉強していただけるとうれしいです。
3食きちっと食べている家庭のお子さんは、すごくしっかり練習してくれる。コーチがどれだけ言っても芯(しん)となる身体が出来ていないと身に付かないし、頭も回らない。基本の身体づくりは、まず家庭で。私たち指導者は、そこから技術をつけたりさらなる身体作りのアドバイスをしていきます。練習で基本の身体と気持ちを築いていくために、家族のサポートは非常に大きいです!」
編集部:「ありがとうございました!」