今回ご登場いただくのは、柴田隆一(しばたりゅういち)さんです。
柴田さんは、2008年北京オリンピック日本代表選手として200mバタフライに出場した、日本を代表する水泳選手でした。引退後は「カラダも食も指導できる水泳の指導者」を目指し、水泳指導と平行して、管理栄養士になるために勉強をはじめたという、ユニークな経歴の持ち主。現在は東京健康科学専門学校の専任講師として活動しています。なんと、「食べ物パワーを味方につけろ!」でおなじみの久保田ひさこ先生とは、同じ学校の講師仲間なんです!
栄養にもくわしい柴田さんに、子どものときの話や、食事の大切さなどについて、じっくりお話をうかがいました!
編集部:「子どものころは、どのような生活でしたか?食べ物の好ききらいはありましたか?」
柴田さん:「食べ物の好ききらいは、あまりなかったですね。グリーンピースなど緑の豆があまり得意ではなかったけれど、親がしつけに厳しかったので、『出されたものを全部食べ終わるまでは、席を立つな!』と(笑)。おかげで、苦手なものも食べられるようになりました。
両親ともに公務員だったためか、時間にすごくキッチリした家庭でした。毎朝7時には起床して、寝るのは夜8時。学校で友達が、夜にやっているテレビ番組の話題をしていると、『それってドコのテレビでやってるの?』なんて思っていました。」
編集部:「思い出に残っている朝ごはんのメニューはありますか?」
柴田さん:「朝ごはんは、ご飯にみそ汁、おかずといった和風。『眠いから食べない』なんていうことはモチロンない。目玉焼きがよく出たんですけど、当時の僕は半熟が苦手で固焼きがいい、でも妹は半熟がいい、と違ったリクエストを出す。それを母親は『仕方ないわねえ』と言いながら、別々に作ってくれた。今考えると、すごい手間だっただろうなと思います。やはり、母親は偉大です(笑)。」
編集部:「小学生のころから水泳をやっていたということですが、何か特別な食生活だったのでしょうか?」
柴田さん:「ふだんの食事は特に変わらず、栄養バランスの良い食事を母が作ってくれていましたね。コーチからは、『レースが続くときはビタミンCをとりなさい。みかんを食べたり、無いときは100%ジュースを飲みなさい』とアドバイスされていました。なぜビタミンCなのか、当時は全く説明してもらえなかったんですけど。」
ひさこ先生:「水泳は1日に何レースもあるから、1日に使うエネルギー量も多くなりますよね。だからみかんやジュースは、エネルギー源としての果糖(かとう)の供給が大きな目的だと思います。水泳は水の中にいるからかわかないようなイメージを持たれるけれど、実際は汗もかいているから、ジュースはその点、エネルギーも水分も補給できる“優れもの”ですね。」
柴田さん:「そうなんですよ。陸上部の友人からは『水泳はノドがかわかなくていいよな』と言われましたけど、いやいや、めっちゃかわきます!高校のときは、ただの水じゃなく、砂糖と塩、レモン果汁を入れて飲むように指導されました。ただ、入れる割合を教えてもらえなかったので、ものすごくしょっぱいのができたりしてたんですけれど(笑)。」
ひさこ先生:「手作りスポーツドリンクね。だいたい、塩が0.1~0.2%、糖質(とうしつ)が4~6%、レモン果汁はクエン酸をとる目的でいれるんだけど、それは好みで大丈夫ですよ。」
柴田さん:「その比率(ひりつ)を、15年前に知りたかったです(笑)。」