食育Q&A

「血はどうして鉄のような味がするの?」 「鉄分を上手に補給するにはどうしたらいい?」

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。

そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

血はどうして鉄のような味がするの?中学校 生徒より

血はどうして鉄のような味がするのですか?

血液の成分の1つに「赤血球」があり、赤血球の中には赤い色素である「ヘモグロビン」が含まれています。このヘモグロビンが、血の“鉄のような味”(鉄を食べたことはないと思いますが・・・)に関わっています。というのは、ヘモグロビンは、「ヘム」という色素に「グロビン」というたんぱく質がくっついた形をしており、このヘムには鉄が含まれているのです。つまり、血液中のヘモグロビンに鉄分が含まれるため、血は鉄のような味がするというわけです。

ちなみに・・・
ヘムには酸素と結びつく力が強いという特徴があります。そのため、ヘモグロビンは、血液にのって体のすみずみに酸素を届けるという大切な役割を担っています。
しかし、食事からの鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られなくなってしまいます。このような状態では、体内に酸素を行きわたらせることができなくなるため、息切れしやすくなったり、だるさを感じたりするようになります。これが貧血(鉄欠乏性貧血)です。
鉄分が不足しないように、毎日の食事で鉄分を十分にとりたいですね。

鉄分を上手に補給するにはどうしたらいい?中学校 保護者より

鉄分を上手に補給するにはどうしたらいいですか?

「鉄分が多く含まれる食品として、レバーや赤身肉、魚、貝類、大豆、野菜、海藻などが挙げられます。しかし、同じ鉄分でも、肉や魚などの動物性食品に多く含まれる鉄分(ヘム鉄)と、大豆や野菜などの植物性食品に多く含まれる鉄分(非ヘム鉄)で、性質が異なります。それは、ヘム鉄の方が非ヘム鉄に比べて体内での吸収率が高いということです。その差は数倍にもなると言われています。

では、大豆や野菜はあまり鉄分の補給につながらないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。非ヘム鉄の吸収は、ビタミンCをあわせてとることで高まるからです。鉄分を上手に補給するためには、鉄分を多く含む食材を取り入れるだけでなく、ビタミンCを多く含む野菜や果物などもあわせて、バランスよく食べることが大切です。

なお、コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるタンニンという成分には、鉄分の吸収をジャマする作用があります。鉄分をしっかりとりたい時には、食事中や食事の前後にはこれらの飲み物は控え、麦茶のようなタンニンを含まない飲み物を選ぶ方がよいかもしれませんね。

食育Q&A担当者プロフィール

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

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