食育Q&A

乳酸菌って何ですか? 菌って体に悪いの?

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。

そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

乳酸菌って何ですか?小学生 児童より

乳酸菌って何ですか?

乳酸菌(にゅうさんきん)という言葉を、テレビなどでもよく聞きますよね。目には見えないほど小さな生き物である「菌(きん)」の仲間の中で、糖分を食べて「乳酸(にゅうさん)」という成分を作り出す菌のことを「乳酸菌」とよんでいます。実は、乳酸菌は、私たちの豊かな食生活と元気な毎日に欠かせない、とてもたよりになる菌なんですよ!

乳酸菌のパワー① 食べものをおいしくする、くさりにくくする
乳酸菌には、食べものをよりおいしくしたり、くさりにくくするはたらきがあります。そのため、昔から色々な食べもの作りに乳酸菌が使われてきました。牛乳に乳酸菌を加えて作る「ヨーグルト」は、その代表的な食べものです。他にも、キムチやぬかづけなどのつけ物、みそ、しょうゆなども乳酸菌のはたらきを利用して作っています。

乳酸菌のパワー② 腸の中を良いじょうたいに整えてくれる
私たちの腸の中にはたくさんの菌がいます。その中には良いはたらきをする菌もいれば、悪いはたらきをする菌もいます。良いはたらきをする菌がたくさんいる腸では、うんちがしっかり出ますし、病気の原因になる悪い菌から体を守る力も高まります。しかし、悪いはたらきをする菌がたくさんいる腸では、良いはたらきをする菌の力が弱まってしまい、べんぴやゲリになったり、病気にかかりやすくなったりします。ヨーグルトなどを食べて乳酸菌を体の中にとりいれると、良いはたらきをする菌がたくさんいる腸に整えてくれます。

小さな乳酸菌に、食べものをおいしくしたり、体に良いはたらきをしたりする力があるなんて、すごいですよね!ぜひみなさんも、乳酸菌を使った食べものを毎日の食事に取り入れてみてくださいね!

菌って体に悪いの?小学生 児童より

菌って体に悪いんですか?

「菌を絵にかいてください」と言われたら、あなたならどんな絵をかきますか? きっと多くの人がこのような絵をかくのではないでしょうか?

菌というと、なんとなく悪さをしそうなイメージがあるかもしれません。もちろん、菌の中には食べものをくさらせたり、体に入りこむと病気をひきおこすような、体に悪いはたらきをする菌もいます。特に、梅雨のようにむし暑くジメジメした季節には、「食中毒菌(しょくちゅうどくきん)」とよばれる食べものをくさらせる菌が増えやすいので、注意が必要です。

一方で、私たちの体にとって良いはたらきをする菌だってたくさんいるんですよ!例えば、上の質問で「乳酸菌」が体に良いはたらきをすることをお話ししましたね。その他、なっとうを作るのに欠かせないなっとう菌なども体に良いはたらきをする菌の仲間です。このような菌を使って作った、ヨーグルトやなっとうなどの食品を「発酵(はっこう)食品」とよんでいます。

ちなみに、「良い菌」とか「悪い菌」というのは、あくまで“人間にとって良い・悪い”ということです。菌自身は、「人間の体を健康にしよう!」とか「人間に悪さをしてやれ!」と思っているわけではなく、どんな菌も自分が生きるために食べものにとりついて、そこから栄養をとっているだけなのです。その、菌がとりついた食べものが私たち人間にとって良いものであれば「発酵食品」、悪いものであれば「くさった食べもの」になるのです。 私たちのつごうで勝手に悪者にされてしまう菌は、ちょっとかわいそうにも思えてきますね。

食育授業report邑楽郡民生児童委員

平成28年7月13日、東洋大学板倉キャンパスで邑楽郡民生児童委員の研修会が行われました。「日ごろの食事と腸内細菌の役割を知ろう」という内容の研修で、前半の「早寝・早起き・朝ごはん」の講演を担当させていただきました。後半のダノンジャパン株式会社 西田聡氏による「腸内細菌を知ろう」とあわせ約2時間の研修会でしたが、皆さんとても集中して聴いていらっしゃいました。地域での活動に、お話ししたことが少しでも役立てばうれしいです。

食育授業report加須市立志多見小学校

平成28年7月14日、加須市立志多見小学校の3、4年生と保護者の皆さんに「早ね・早起き・朝ごはん」について、お話ししてきました。児童の皆さん、とても積極的に手を挙げて意見を発表してくれましたね。会場の体育館が暑く感じたのは、夏の暑さのせいだけではなく、皆さんの熱気があったからだと確信しています!

食育授業report一般社団法人青梅青年会議所

平成28年7月30日、一般社団法人青梅青年会議所が主催し、全4日間の日程で行われた「夏休み 青梅・奥多摩まるかじり~食で育む元気な心と体~」の1日目に、「早ね・早起き・朝ごはん」についてお話ししました。講座の後には、調理室に移動して、マグカップヨーグルトケーキをみんなで作りました。なんと、使ったマグカップは子ども達が自分で絵を描いたお手製のもの!自分で作ったマグカップで作ったケーキ、きっとおいしさも倍増だったのではないでしょうか。

食育Q&A担当者プロフィール

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

食育セミナー実施中!

ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。

講座のお問い合わせ、お申し込み受付はこちらの「ダノン健康栄養財団」ホームページよりご確認ください。

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