特別企画

お弁当を食中毒から守ろう!

今年も気温が高くムシムシする夏がやってきました。
この季節は大会やイベントも多く、お弁当を作る方も多いのではないでしょうか?
特にこの季節に気をつけたいのが「食中毒」
せっかく作ったお弁当も傷んでしまったり、菌が繁殖してしまったりしては台無しです。
美味しいお弁当を美味しく食べるためにも、今回は夏こそ気をつけてほしいポイントをご紹介します。

細菌が好む条件をチェック!!

まずはお弁当の傷みの原因となる細菌について知っておきましょう!
注目すべきチェックポイントは大きく3つあります。

① 栄養源
細菌は“たんぱく質”を好む傾向にあります。
たんぱく質を多く含む肉や魚、卵や豆類を使ったおかずは特に注意をしましょう。

② 温度
菌の種類にもよりますが、食中毒を起こす菌が発育しやすい温度は36度前後
加熱した食品でも放っておくと菌が繁殖しやすい温度帯になりますので、お弁当用に作ったものは必ず「冷やす」ことを心掛けましょう。

③ 水分量
細菌にとっても水分は必要不可欠!
特に水分が50%以上になると発育しやすい状況になりますので、水分がたっぷりと含まれる生鮮食品や炊いたごはん、煮物や汁物の扱いには注意が必要です。

実際に作るときのポイントをチェック!

ポイント1お弁当箱は2段×仕切り使いがオススメ!

意外と知られていないのですが、ごはんは水分が多く、その量は
60%程度です。
そのため、ごはんを別に入れられる2段のお弁当箱がオススメです。
(ごはんはおにぎりにして別に持っていく、という方法でもOKです。)
さらにおかずのエリアでは種類ごとに仕切ることが出来ると良いでしょう。
味が混ざってしまうことも防げます。

ポイント2しっかり加熱の後は汁気切って!

十分に加熱をすること(中心温度が75度以上かつ1分以上)は細菌の繁殖防止にとても有効です。
しかし、水分が多いと細菌は繁殖しやすくなります。
そのため、炒め物や煮物を入れるときはいったんお皿にとり、粗熱をとり、水分を良く切ってから加えましょう。

ポイント3梅干しやスパイスなど抗菌作用のあるものをプラスしましょう。

酸味の強い梅干しやカレー粉に含まれるスパイスの中には抗菌作用があるといわれています。
梅干しをご飯に混ぜるときは全体に混ぜ合わせ、肉や魚を炒めるときにはカレー粉を加えることで抗菌作用プラスに加えて食欲アップにもつながります。

ポイント4生野菜はできるだけ避けましょう。

彩りに添えたくなるのが、生野菜。
しかし、加熱をしておらず、水分量も多い、という点からも生野菜はできるだけ避けたいところです。
ミニトマトを入れたい!という場合は、必ずヘタを取り、水洗いをして水気を拭いてから入れましょう。

ポイント5マヨネーズは加熱をして加えるか、別添えがオススメ!

手軽に味付けができるマヨネーズはお弁当に役立つ調味料のひとつです。
しかし、マヨネーズを加えると食材から水分が出やすくなってしまいます
そのため、炒めるときの油の代わりに使ってしっかり加熱をするか、別添えをして食べる直前に加えることをオススメします。

その他にも、調理器具や調理する手はキレイに洗っておくことやお弁当を持ち運ぶときは保冷グッズを活用するなど、作る前後にも菌をつけない、そして増やさない工夫をしましょう!

お弁当レシピ

梅ごはん

ごはん(150g)に刻んだ梅干し(1/2個分)を混ぜ合わせ、仕上げに白ごまをふる。
※ごはんは蒸気で水分がお弁当箱の底に溜まってしまうのを防ぐため、粗熱が取れてからお弁当箱に入れましょう。

豚肉とコーンのカレー炒め

豚ひき肉(50g)とコーン(20g)をフライパンで炒め、塩胡椒(適宜)・カレー粉(小さじ1/2)を加えて味を調える。

ピーマンとしめじの塩糀炒め

ひと口大に切ったピーマン(小1個)としめじ(15g)をフライパンで炒め合わせ、塩糀小さじ1/2を加えてしっかりと加熱する。
いったんお皿にとり、粗熱をとり、水気を切ってから詰める。

かぼちゃとレーズンのマヨネーズ和え

かぼちゃ(40g)はひと口サイズに切って電子レンジ600wで1分半加熱し粗熱をとる。
お弁当箱に入れたらレーズン(5粒程度)を加える。マヨネーズは別添えし、食べるときに加える。

レシピ担当者プロフィール

管理栄養士 磯村 優貴恵

管理栄養士としてダイエット専門のサロンにて食事指導を行う。その際に具体的なメニュー提案や調理方法の伝承の必要性を感じ、3年間の料理経験を積む。その後特定保健指導を経て独立。
「栄養士をもっと身近に!」をモットーとして、子供から大人まで一緒に食べられるおいしいレシピの提供や食事の大切さを紙面やWEBにて発信中。