「食べ物パワーを味方につけろ!」

Vol.13 夏バテ予防も食事から!

“夏バテ”って何?

イラスト・夏バテ予防も食事から!

『暑くて、夏バテしちゃった~』とか、『夏バテ気味で、食欲がない』なんてことを聞いたり、言ったりすることがありますが、“夏バテ”ってなんでしょうか?
一般的には『夏の暑さのために体が弱ること』で、少し前には『暑気あたり』などの言い方もされていました。やはりキーワードは“夏=暑さ”で、主な“症状”としては『食欲不振』などが言われています。
私が考える“夏バテの構図”をご紹介します。

暑くて食欲がない口当たりの良いものばかり食べる栄養が偏る≒ビタミンB1やカリウムなどエネルギー作りに関係する栄養素が足りないエネルギーが足りない益々疲れが残るだるい食欲がない・・・

“夏バテ”って予防できるの?

こんな感じで“夏バテ”を知ると“予防法”も分かってきます。
“口当たりの良いものばかり食べる”を止めて、ちょっとだけ栄養のことも考えた食事をすれば良いのです。
例えば、ソーメンにも冷やし中華のようにビタミンB群が多い豚肉(ボンレスハムや焼き豚など)を添えてみるとか、大事な主食の米にもビタミンB群を混ぜてみるとか、納豆も夏場はビタミンB1がより多いひき割り納豆にするとか・・・そんなことも大事です。
また、熱中症予防の面からの水分補給の大事さは、毎日ニュースや天気予報でも伝えられています。ただ、清涼飲料水ばかりだと、それもビタミンB1の無駄遣いにつながるので、食事ではみそ汁を欠かさず飲んだり、カリウム(エネルギー作りに関わったり、汗の成分でもあります)の多いトマトジュースなどを飲むのもおススメです。
さらに、生活習慣をきちんとすることも大事です。具体的には、起床時間もふだんと大きく変えない(≒食事を時間も含めきちんと摂る)ようにすることで食事もしっかり規則正しく食べられます。また、食事をしっかり食べれば、おやつのだらだら食べもしないで済みます。

楽しい夏休みもそろそろ終盤! もし、生活が“夏休みモード”になっていたら、生活のリズムを少しでも早く“ふつう”に戻しましょう。
そして、みなさんが元気に2学期を迎えられますように・・・。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 子どもの体重がなかなか増えません。体を大きくする食べ方などありますか。
A1 体を大きくすると言うと“たんぱく質(肉や魚のおかず)”と考えられがちですが、実は《主食(ごはんなど)》をしっかり摂ることも大事です。エネルギーの素をしっかり摂っておくことで、たんぱく質などもからだづくりに有効に使えます。また、活動量に対して、食事量が少ないこともあるかもしれません。
Q1 ハードな試合や練習の後は疲れすぎて食欲が出ません、何を食べさせれば良いでしょうか?
A1 理想的には『食べることも練習』なんですが、それは分かっていても無理なこともあります。そこで大事なことは『使ったエネルギーは補充しておく』は最低限守ることです。そうでないと成長期にとっては、極端な言い方をすると運動が却って成長阻害の要素にもなりかねません。『これなら食べられる!』を日頃から考えておくこと、またスポーツドリンクなどの甘さのあるものの飲み過ぎも血糖値の一時的上昇で、食欲を抑えてしまうことにもなるので、その辺りも注意しましょう!(水分補給の大事さを否定するものではありません)

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