ひさこ先生が教える スポーツ少年ママのためのスポーツ栄養講座

9月号 試合日の昼食

“ゲリラ豪雨”の怖さを痛感したり熱中症搬送者が記録的だった今夏、皆さまはいかがお過ごしでしたか? 被害に合われた方には心よりお見舞い申し上げます。先日サッカー観戦の帰り道、ふと虫の声に気付き確実に秋にシフトしてきているんだなぁと思いました。そこで『スポーツの秋』に関する提案をお届けします。

"“秋”と言えば、“スポーツの秋”! これから様々なスポーツ行事が目白押しなのでは? そんな時、保護者の方々はお弁当に頭を悩ませたり逆に腕が鳴ったり…と、色々かと思います。ただ、『練習の総仕上げが直前の食事!』という点から考えると、“たかがお弁当、されどお弁当!”と言えます。

そこで、今日のPOINTは

  1. 試合で大事なこと = エネルギー満タンで試合に臨むこと!どれだけ一生懸命練習していたとしても、エネルギー切れになったらそれを披露出来ません。
  2. 実は「頭を働かせるエネルギー」も食事由来!脳は体の中で最もエネルギーを消費すると言われています。

先日講演した際、ある小学生が『脳のエネルギーがなくなってしまったら、誰にパスを出したらよいかわからないし周囲のサインも見逃して、チャンスをつぶしてしまうかもしれない…』と言っていました。
エネルギーを切らさない為にも、試合日のお弁当には豪華なおかずより“エネルギーの素=主食”がしっかり摂れるもの(おにぎりなど)がおススメ!

“ごはん(主食)”は大事なエネルギー源!

ごはん(主食)”は大事なエネルギー源! グリコーゲンの差による試合中の動きの比較

スポーツ前の食事は『エネルギー源としての役割』がとても大きいぜひ《食事バランスガイド》を理解して試合日のお弁当を作ってみてください。《食事バランスガイド》の一番上に位置する《主食》がエネルギーの素になります。

試合前の食事は『脂質控えめ』と言われますもちろん“脂質”も大事なのですが、試合前や試合中は“脂質控えめ”が原則!

  1. 理由①運動時のエネルギー源になるのは炭水化物だから脂質を控えないと全体として“エネルギー”の過剰になります。
  2. 理由②脂質は消化に時間がかかります。 試合前だといつまでも消化できずに胃に滞まってしまう

結論

試合日はおにぎりやサンドイッチ(中身はボンレスハム等脂質の少ないものやジャム等)のお弁当がおススメ!


バナナ

バナナ

合宿や試合の差し入れに重宝され“差し入れの定番”とも言える“バナナ”は、なぜスポーツ選手の補食にふさわしいと言われているのでしょうか?

スポーツ大会では補食用にバナナがよく用意されています。マラソンのエイドポイントやサッカー選手のロッカールームなどには必ず準備されています。

Q. バナナがなぜ“スポーツ選手の補食”にふさわしいか?
A. どこでも手に入り手軽な食べ物である以上に、バナナに含まれている成分に“大きな魅力”がたくさんあるから

“バナナの魅力”を挙げてみると

  1. エネルギー源になる

    バナナには“糖(炭水化物)”が数種類含まれており“吸収される速度”が異なります。すぐエネルギーになるものからゆっくりエネルギーとして利用されるものまであり持続性が高い。さらに、炭水化物が消化するときに必要な酵素も含まれています。

  2. ミネラルが豊富に含まれている

    ミネラルは汗と一緒に排泄されがちですが、バナナにはカリウムやマグネシウムといったミネラルも豊富に含まれています。カリウムやマグネシウムは筋肉の収縮に関わる働きもあるので試合中にはとても有効に働いてくれます。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  
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