ひさこ先生が教える スポーツ少年ママのためのスポーツ栄養講座

4月号 好き嫌いと野菜

先日、あるサッカー選手と話していた際に『子どもにとって、野菜ってどうしても苦手な領域ですよね~』という話題になりました。

そこで、独立行政法人日本スポーツ振興センターが全国の小中学生約1万1千人に対して行った調査結果(「平成22年度児童生徒の食生活実態調査報告書」)の『子どもが嫌いな食べ物』をみてみると、1位は「ゴーヤ」、2位「なす」、3位「セロリー」、他グリンピース、ピーマン、トマト、アスパラガスなど10位までになんと8種類の野菜が並んでいました。また、『嫌いな料理』の中の野菜料理では、3位が「つけもの」、6位が「サラダ(生野菜)」となっていました。
「食事バランスガイド」のコマでも、《野菜料理》は《主食》についでしっかり摂りたいものとして扱われているのに、残念な結果です…。
確かに背景には、「野菜料理は手がかかる」、「その割にはメイン料理になりにくい」さらには「価格も安定しない」等、おとなの野菜摂取の不足とも関係してくるのかもしれませんが、野菜が大事な食品である大きな理由は、以下にあげる通りです。

  1. ビタミンやミネラルの宝庫である
  2. 水分もしっかり摂れる
  3. ポリフェノールなどの機能成分も豊富に含まれている

暑くなって汗もかく季節では、熱中症予防の観点から水分補給の大切さが訴えられていますが、実は水分補給は食事からもしっかり出来るのです。「野菜の具がたくさん入った汁物」は、まさに“食事でのスポーツドリンク的存在”と言っても良いほどです。

平成22年度児童生徒の食生活実態調査報告書

①問28「あなたのきらいな食べ物はなんですか。」
第1位 第2位 第3位 第4位 第5位 第6位
ゴーヤ
にがうり
なす レバー
ホルモン
セロリー グリンピース ピーマン
②問31「あなたのきらいな料理はなんですか。」
第1位 第2位 第3位 第4位 第5位 第6位
レバー料理 うなぎ つけもの 焼き魚 煮魚 サラダ
生野菜

「平成22年度児童生徒の食生活実態調査報告書」(独立行政法人日本スポーツ振興センター)より一部抜粋

結論

野菜嫌いな子どもは、野菜独特の風味が苦手な場合が多いようです。素材の味を知って好きになるのはもちろん理想ですが、“入門編”としては「味をしっかりつける」ことも一つの方法かもしれません。
例えば、『嫌いな野菜』上位にあたる野菜を使った料理でも、「なすのみそ炒め煮」や「アスパラガスの豚肉巻」は、ご飯のススムおかずになるかもしれませんし、しっかり味付けした「ラタトゥイユ」などはパスタにかけたり、パンに付けたりすると、食べられるきっかけになるかもしれません。
新学年に進む4月は、“嫌いな食べもの克服(こくふく)”のチャンスかもしれませんよ!

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

お弁当の知恵

お弁当のイメージ

さて、毎日の学校のお弁当、部活のためのお弁当、試合時のお弁当…など一言でお弁当と言っても様々かと思いますが、最も気をつけたいことは“安全”です。“お弁当の安全”は、冬場でも暖房が普及してきたため一年中注意が必要ですが、これから暖かくなる季節は特に注意が必要です。
食中毒予防の三原則は、『つけない』、『増やさない』、『やっつける』と言われていますが、お弁当づくりでは特に大事です。(2013年5月号も合わせてご確認ください)

ここでは、『増やさない』について“温度”と“水分”の二つのKeyWordについて説明します。

温度のポイント:30~40℃が細菌繁殖の最適温度!

水分のポイント:“水分”は細菌繁殖のための要素になってしまう!

楽しみなお弁当が食中毒の原因になることがないよう注意しましょう。

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