ひさこ先生が教える スポーツ少年ママのためのスポーツ栄養講座

2月号 “好き嫌い”とどう付き合う?

先日、続けて耳にした「好き嫌い」に関する二つのエピソードについてご紹介します。
一つ目は、あるサッカー選手は今まで「嫌いなものがあっても、その食べ物に対する知識をちゃんと知っていれば、違う食品で対応できる!」と思っていたそうですが、親になってみて子どもの手前“嫌いで食べられないものがあるのは困るかな”と考え、長年嫌いだったものが食べられるようになりつつあるという話。
二つ目は、仲良しの友達のお母さん同士が協力して、子どもの嫌いな食べ物を相手のおうちでご馳走して食べさせ合い“好き嫌いを克服”させているという話でした。
新年度が始まる前に、『好き嫌いをなくしたい』とか『食べる速度が遅いことを改善させたい』と考えている保護者の方のために、今月は「好き嫌い」についてお話しします。

“好き嫌い”への取り組み

サッカーを続けていくと、チームメイトと一緒に食事をする機会が増えていきます。練習後や合宿での食事、そして年代別日本代表に招集された際の食事など…

その時に大事なポイントは? 「好き嫌いがないこと」「ある程度の速さで食べられること」

好き嫌いがあると、どうしても“食べるスピード”に影響してしまいます。“
食べるスピード”は、サッカーにも影響力があるかもしれません。嫌いなものを少しずつ克服していくことも大事なことです。ここでいう好き嫌いとは、アレルギー等で食べられない事ではなく、味や香り、見た目が好きでなく食べられないという事を言います。

好き嫌い克服法
  • “嫌いな食品”について、“嫌いな食品”がどのカテゴリーに属するのかをまず知って、同じカテゴリーから食べられるもの(好きなもの)を見つけて食べるようにすることで、“栄養的”な問題をなくす。
  • 『嗜好は変わる』を目標に、時々色々な料理法で味を確認してみる。

ただ、『だからと言って、嫌いなものがあっても問題ない!』ということではありません。色々な味を知ると、大げさな言い方をすれば “人生が楽しくなる”と思います。

冒頭で例にあげた選手が、“我が子のために”嫌いだったものを口にすることが出来た話をしましたが、彼は日ごろから嫌いなものに様々な方法(同じ仲間のものを食べる⇒たまには口にしてみる)で取り組んでいましたので、ちょうど機が熟していたのかもしれません。

結論

たかが「好き嫌い」されど… ふだんの食事からみんなで“食べることの大切さ・楽しさ”を家族で取り組む事が大切です! その姿勢はきっと、食べものだけでなく全てのことで『嫌いなことにも積極的に取り組んでいくことが大事!』につながっていくと思います。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

ノロウイルス・
インフルエンザの予防策

学校給食からもノロウイルス中毒発症のニュースが大きく伝えられました。インフルエンザも流行しているようです。
これらの感染症の最大の予防は、『手洗い・うがい』と言われています。
サッカーの練習後のお弁当時に、それが守られているかというと、サッカーは、基本土や芝生のグランドという屋外のスポーツですので実際には石鹸が常備されていない洗面所も見かけます。
そんな状況だからこそ、食事の前の手洗い・うがいは大事なのですが、寒い時期に冷たい水で石けんを使った手洗いなど、ついつい省略してしまう事も多いのでは?また、ノロウイルスにはアルコールは効きませんので、手が洗えない場合に用意しているウエットティッシュでは効果がありません。
これらのことも踏まえた上で、手洗いうがいの重要性を保護者も子どもたちもしっかり知って、理解しておくことが欠かせません。
また、ノロウイルスは大人では保菌していても症状の出ない場合があるので、知らないうちに感染を広げてしまうこともあるようです。
免疫力が落ちないように、日頃からバランスの調った食事で、睡眠もしっかりとっておくことが大事ですね!

ひさこ先生が教えるスポーツ少年ママのためのスポーツ栄養講座 TOPに戻る

ページトップへ