よく耳にする“食物アレルギー”ということばですが、『食物に含まれているものが原因で、体に不利益な反応が起きること』です。

食物は私たちが生きていくのに欠かせないものですが、体質によっては食物の摂り方に注意が必要になってきます。

『食物アレルギー反応』とは・・・人間がもとから備えている外敵(ウイルスや細菌など)を排除する働きが、排除する必要のない食べ物に対して誤って過剰に反応してしまうこと。
その中でも最近耳にする『アナフィラキシー』とは、全身の複数の臓器にアレルギー症状がでることで、
『アナフィラキシーショック』とは、血圧低下や意識障害など命を脅かすほどの強いショック症状がでることを言います(※個人の体質によって異なります)。
非常に悲しいことではありますが、食物アレルギーのある児童生徒が給食などで命を落とすことになった事例もあることを意識しておくことも必要だと思います。

また、非常にまれではありますが、アレルギーのある食物と運動の組み合わせでショック症状にいたる『食物依存性運動誘発性アナフィラキシー』と言う非常に強いアレルギー反応があります。
『食物依存性運動誘発性アナフィラキシー』…アレルギー物質を含むものを食べた後、激しい運動をするとじんましんなど皮膚疾患の出現に始まり、喉頭浮腫、喘鳴などの呼吸器 症状を伴ったショック症状になること。
具体例)給食でアレルギー物質を含むものを食べ、昼休みや午後の体育の授業で激しい運動をすることで、非常にまれではありますがこの症状を発症してしまいます。
この『食物依存性運動誘発性アナフィラキシー』は〔食物アレルギー+運動〕が発症条件で、運動が伴わなければ発症しません。また、これを食べたら必ず発症というわけでなく、その時の体調なども大きく関係するようですが、食物アレルギーがある場合は運動することで、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあるということは小さいときから知っておき、異変があればすぐに運動を中止するなどの正しい処置が出来る(あるいは、正しい処置をお願い出来る)ようにしておくことは命を守るためにとても大事なことです。
※また、一度アナフィラキシーショックを起こしたことがある方は、次に同じ原因物質に暴露されることで以前より重い症状を起こすことがあると言われているので、原因物質をしっかり把握して日頃から注意しておくことも非常に大事です。

結論

いつどんな場合でも『自分の命は自分で守る』ことが大事で、このことは食物アレルギーがある場合にも共通です。
小さいうちから食物アレルギーがあることを自覚して、大人(先生やコーチなど)に伝えることが出来るようにしておくこと、また万が一に備えての処置の仕方(アドレナリン自己注射製剤;エピペン)を身に付けておくことも大事です。そして、発作が収まっても経過観察は必須で、24時間は一人にならない(させない)ようにしましょう。アナフィラキシーショックを起こしたとしても、適切な処置が早いタイミングでされれば、命にかかわることは回避できます。

アレルギーと上手に付き合う

先日、晩餐会の会場となったホテルの内側を報道する番組がありました。そのホテルでは準備の一つとしてあらかじめアレルギーについての情報を集め、除去食を幾つか準備していたそうですが、当日になり新たな申告が出たとのこと。そんな場合でもアレルギーは命にかかわるため最優先で対応するという内容でした。番組の扱いとしてはアレルギー対応についてはほんの一部で、大部分はその他の準備が中心でしたが、食物アレルギーに対しての繊細な気遣いは十分伝わってくるものでした。
アレルギーは、年齢が進むことで軽くなったりすることもあるようですが、まず大事なことは、自分のアレルギーについて正しく知っておくことです。

具体的には日頃から
*自分からとっさの時に自己申告できるように、いつも心身の準備をしておくこと
*日頃から自分のことは自分で守る気持ちで、“表示”についても関心を払う習慣を身に付けておくこと(“表示”は開示されている大事な情報です)。

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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