独立行政法人日本スポーツ振興センターによると小中学生・高校生の学校管理下におけるケガでは“骨折”の割合が最も多く、けがの中の25~30%を占めています。
スポーツをしている場合はもちろんですが、特別にしていない場合でも完治まで時間のかかる“骨折”は日常生活にも大きな影響を与えるものです。

スポーツをしていると、”ケガは避けられないもの”とも言いますが、しないで済むケガはしたくない(させたくない)。また、ケガをしてしまった場合にも、少しでも早く回復したい(させたい)とは誰もが思うところです。

”ケガ対策”としてお伝えしたいことの一つ ⇒ 体づくりを意識して“筋肉づくり”に取り組み始めるのであれば、“骨づくり”も意識して欲しい

“筋肉づくり”は、結果が目で確認しやすいですが、“骨づくり”とは言葉自体も聞き慣れないものかもしれません。
しかし、筋肉は骨で支えられていますので『大きな筋肉と丈夫な骨』はセットで考えるべきものだと思っています。
☆ 丈夫な骨を意識すること ・・・> ケガ予防につながる
☆ 成長期の場合 ・・・> 健やかな成長にもつながる 

“丈夫な骨”づくりのために気を付けること
➀丈夫な骨づくりに係わっている主な栄養素 = “カルシウム” & “たんぱく質(コラーゲン)” & “ビタミンD”
 ⇒ ◆カルシウム=骨の丈夫さ  ◆コラーゲン=骨のしなやかさ
   ◆ビタミンD=吸収率の非常に低いカルシウムの吸収促進作用(丈夫な骨づくりに欠かせない栄養素)

②カルシウムは日本人が性別・年代問わず、ずっと不足している栄養素
 ⇒ ・給食で牛乳を飲んでいる年代でも不足気味。
   ・給食がなくなる年代・給食がない時期(≒牛乳を飲まない)では、特に意識して牛乳・乳製品を摂取することが大事です!

③一生の健康を左右する“骨量”を上げられる時期は、20代まで
 ⇒ 骨量を増やすことが可能な時期に毎日カルシウムを摂取しておくことが大事!
   つまり、“骨の材料”になるものを、“骨量を増やせる時期”にしっかり食べることが大事です。
   ※骨のカルシウム量が低いと、早い年齢で“骨粗しょう症”になる可能性が高くなります。

<写真提供:骨粗鬆症財団副理事長 井上哲郎先生>

結論

「骨の働き」・・・ほかにも”体を支える”、”カルシウムを貯蔵する”など様々な働きがあります。

共通して言えることは、『食べたもので骨は作られる』ということです。
カルシウムは、牛乳だけではなくヨーグルトやチーズの乳製品、小魚(小魚:大きさではなく、頭からしっぽまで骨ごと食べられる魚と考える)、青菜海藻にも含まれています。
食事バランスガイド》をイメージした食事を心がけましょう。

食品群は便利ですが、海藻類の分類は?

先日ある学校で、『海藻類はどこの食品群に入るの?』という質問がありました。
この質問の趣旨は、「海藻類“野菜の仲間”なのか、“牛乳や小魚の仲間”なのか?」ということで、まさに『わかめなどの海藻類にはカルシウムが多く含まれている』ことをよく知っているからこその質問だと思いました。
そこで、改めて“カルシウムの働き”について復習してみましょう。

摂取したカルシウムの
99% ・・・> 骨や歯の材料になる
 1% ・・・> 血液の凝固や筋肉の収縮、神経の興奮抑制の働きに使われる

※(たとえ1%の働きであっても、命にかかわるような大事な働き)
つまり“海藻類”は、『牛乳や小魚と同様、からだづくりの働きの群(赤)』『体の調子を整える群(緑)』の両方の働きを持っているのです。
しかし、海藻類は(一般的には)1食当たりの使用量も少ないので、分類としては『骨や歯の材料』でも『体の調子を整える』どちらでも問題ないかと思います。例えば小松菜などの野菜にもカルシウムはかなり含まれていますが、野菜は『体の調子を整える』群になるのと同様に理解していただければと思います。
つまり特定の食品に偏ることなく、様々な食品をしっかり食べることが大事ということです。
”バランスのととのった食事”を心掛ける際には、“量”の判断がしにくい『3色食品群』や『6つの食品群』だけでなく、《食事バランスガイド》も利用しながら、特に成長期には“バランスのとれた食事”を心掛けるようにしましょう。

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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