今月のテーマは、「試合前の食事」と「寝る前の食事」、一見あまり関係のないような気がしますが、実はこの二つのテーマには大きな共通点があります。その“共通点”は何なのか? ご一緒に考えてみましょう。

食べたものがエネルギーの素になったり、体づくりの材料になったり…というのは、皆さまご存じのことです。ただ、そのためには、食べたもの"消化"され、"吸収"されていなくてはなりません。
つまり、「試合前」「寝る前」も「"消化""吸収"時間」を考慮(こうりょ)しなくてはならないということです。
「試合前の食事」について→試合開始時刻までどのくらい時間があるのか?
「寝る前の食事」について→就寝時刻までにどのくらいの時間があるか?
をそれぞれ考えることが大事です。

そのことを意識して「今、何を食べるか?」を決めることが大事です。
消化吸収に大きな影響を与えるのが、”素材(食品)””調理法”です。
具体的には“含まれている脂質の量料理で使用する脂質の量”のことです。
それは、脂質消化されるまでの“時間”が影響しています。
食事をすると、口腔(こうくう)の中ですでに消化が始まります。

<食べたものの消化の流れ>
① 口腔で「炭水化物」のみ消化されます。
② 食道を通って胃に入ると「たんぱく質」消化が始まります。
③ 胃を通過して十二指腸(小腸)では、いよいよ「脂質」消化が始ま り、炭水化物やたんぱく質の消化もすすみ、吸収されます。

消化の流れが分かると、“食べる時間”“食べるもの”の関係が分かるかと思います。そのためには“量”の調節も必要ですが、食材の選び方と調理法への工夫ももっと必要になってきます。
例えば、
*同じ肉でも脂質の少ない部位にする ⇒ 具体例:豚肉もロースやばら肉ではなく、もも肉にする。
*同じ食材でも、揚げたり炒めたりしないで、ゆでたり、煮たりするというようなことを心掛ける
⇒具体例:とんかつや竜田揚げではなく、しゃぶしゃぶにしたり、焼き豚にする。

当財団食育パンフ「ごはんだもん!げんきだもん!」より
http://gohagen.jp/pamphlet/

結論

試合時・・・それまでに食べたものがエネルギーになっていることが大事
就寝中・・・食べたものがすでに胃を通過し、熟睡しやすい環境になっていることが大原則

そのために、「時計を見て、何を食べるかを決める」ことが出来るようになりましょう。

試合の合間の栄養補給について

先日、ある小学生サッカーチームに伺った時、保護者の方からこんな質問がありました。
「嬉しいことですが、勝ち進んでいくと一日数試合になることもあり、試合の間隔時間も段々短くなってきて…そんな時はどんなものを食べさせればよいのですか?」
「試合数が多くなったり、長くなれば、それに相応しいエネルギー補給が必要。とはいえ、時間を考えて食べるものを選ばなくてはならない」それを理解されているからこその質問に、日頃から“家族は最強のサポーター”とうたっている私にとって嬉しい質問でした。

次の試合まで
2~3時間ある場合・・・おにぎり・うどん・ジャム付きトーストなど
1時間程度・・・プチサイズのおにぎり、バナナ、カステラ、串団子、おまんじゅうなど
30分程度・・・エネルギー補給用ゼリーや100%オレンジジュースなど
ただし、個人の体質や消化能力、一回に食べる量によっても異なるので、あくまでも参考として考えていただければと思います。

※試合時のおにぎりについて(留意点)
*大きさはなるべく小ぶりにしてアルミ箔で個包装にしておく
*中身は梅干し、焼鮭、かつお節など“昔ながらの具”がおすすめ(天ぷら、焼肉などは避けてください)
*作る時は、衛生上、素手ではにぎらないことも大事
(海苔の食物繊維を気にする方もいますが、おにぎり1個に使用する平均的海苔1/3枚で食物繊維は0.2g程度で、これはみかん1/3~1/2個分程度です )

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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