スポーツ食育インタビュー

Vol.29 前編 川崎フロンターレ小林 悠選手

キツい中学時代を乗り越えたから、サッカーが楽しくなった
インタビューを受ける小林選手

編集部:「成長期はいつぐらいでしたか?」

小林選手:「すごく遅(おそ)かったですね。小学校時代は普通でしたが、中学校からみんなが伸びていくのに僕は伸びず、ずっと前から2番目とか。サッカーでも苦労しました。身長をすごく気にしていて、毎日牛乳飲んだり、魚や煮干とかいっぱい食べたりしましたけど、全然伸びなくて。高校入学の時は160cmぐらいしかなかったのですが、それからぐんぐん伸び、高校卒業時には175、6cmになっていました。」

ひさこ先生:「子ども達や保護者の方からも、どうしたら大きくなるかとよく聞かれるので、すごくはげみになるお話、安心材料になりますね。やっぱり成長する時期ってあるんですよね。」

小林選手:「そうですね。本当にガリガリで小さく、足も全然速くなかった。周りのみんなは筋肉がしっかりついて強くなっていくのに、自分だけ取り残される感じでした。小学生で選抜(せんばつ)になり結構チヤホヤされていたのに、中学では何も入らなくなって、キツかったです。
サッカーは対人プレイが多いので、当たって飛ばされてばかりで本当に悔しかった。でもその分技術を磨こうと思い、中学の3年間は特に技術面中心の、地味な練習などもしていました。」

編集部:「子どものころから、夢はサッカー選手だったのですか?」

小林選手:「僕の小さいころにJリーグが始まって、サッカーブームでした。周りもみんなサッカーしていたし、大人気。僕は小学校の時に選抜に入り、上の学年の試合にも毎回呼ばれていたので、他よりも少し上手かったと思います。サッカーを始めた小さいころからずっと、プロサッカー選手になると思っていました。」

編集部:「やめたくなったり、サッカーが嫌いになったりしたことはありましたか?」

小林選手:「中学のころは、やめたいまではいかないですが、辛いなと思っていましたね。練習がキツくて、嫌いになるギリギリでした(笑)。でもサッカーが大好きだったので、やめたいとは思わなかった。そこを乗り越えたから高校や大学が楽しかったんで、結果的に良かったと思います。」

ひさこ先生:「長い目で見れば、すべて順調に行くより、そういう時期があったほうが良かったのではないでしょうか。」

小林選手:「絶対にそうです。ずっと順調にいってる選手は、大体いなくなってしまいます。やっぱり辛いことがあって挫折(ざせつ)して、自分に足りないものは何だろうって考える力をつけてきたからこそ、今の自分があるんだと思います。
僕はとても負けず嫌いで、兄にテレビゲームで負けただけで泣いてるような子どもだった。勝つまでやってたし、兄が面倒くさくなってわざと負けてくれるぐらいでした(笑)。負けてばっかりだと嫌だったから、どうしたらいいか、結構考えたと思います。
今プロになっても、遊びのミニゲームでも絶対に負けたくないです。」

妻が専属栄養士。食の知識はあったほうがいい
インタビューを受ける小林 悠選手

編集部:「食事が大事だと思うようになったのは、いつごろからですか?」

小林選手:「高校のサッカー部に栄養士さんが来て話を聞く機会があり、そのときに衝撃を受けたんです。たとえばスポーツドリンクにどれだけ砂糖が入ってるか、カップラーメンの油や塩分。そういう話を聞くと、自分がこんなに摂ってたんだって、驚きました。だから大学の時、周(まわ)りがカップラーメンとかを食べていても、僕は絶対サラダで小腹を満たすようにしてましたね。
今はプロになって、もっと厳しい制限もしてます。やっぱり、食の知識っていうのはあるに越したことはないと思うので、ぜひ色々な授業などで、どんどんやってほしいと思います。」

編集部:「Jリーガーになってからは、食生活が大きく変わったんですね。」

小林選手:「そうですね。妻が管理栄養士なので、基本は任せています。たとえば体重をちょっと減らしたいとか、筋力をちょっと上げたいって相談して、少したんぱく質を摂るようにしたり、自分の状態に合わせて色々メニューを考えてくれています。」

編集部:「専属栄養士さんとは、良い環境ですね! 今、食事で気になる事はありますか?」

小林選手:「自分はグルテンアレルギーではないですが、最近、男子プロテニスプレイヤーのジョコビッチ選手が書いたグルテン・ダイエットの本を読んだところ、グルテンを摂らなくなってから体のキレとかが出た、など書いてありました。彼はグルテンアレルギーのようですが、そうでない人にも効果があるみたい。僕も色々興味があるので、ちょっと試してみようかと思ってます。」

ひさこ先生:「小さい時は朝はパンだったけど、最近ごはんに変えたのは、それと関係がありますか?」

小林選手:「それも関係あります。練習の時はお腹が空くのでごはんで、オフの日はパンにしていましたが、最近はパンを摂っていません。妻にその話をしたら、クロワッサンや甘いパンはどうしてもバターや砂糖が多くて体脂肪が増えちゃうから、アレルギーに関わらずパンは食べなくてもいいかもしれないと言われて。体が重くなるなら摂らないでいいかな、と。」

ひさこ先生:「確かにクロワッサンには、最初からバターがかなり入っています。種類にもよりますが、クロワッサンは重さの1/4以上が脂質です。」

小林選手:「そうですね。でも、……美味しいですよね(笑)。」

ひさこ先生:「確かに・・・(笑) さらにパン食では合わせるおかずもどうしても油を使っているものが多くなります。それを考えても小林選手の選択は賢い選択だと思います。」

取材日:2015年11月11日

奥様の支えのもと、自分の体を理解し、正しい食生活を意識している小林選手。後編では、さらに深く、小林選手の食生活に迫ります。どうぞお楽しみに!

後編に続く 乞うご期待!! 次回更新日3月15日(予定)

選手&チームのご紹介
小林 悠(こばやし ゆう)

1987年生まれ、東京都町田市出身。ポジションはFW、背番号11。大学在学中の2008年に特別指定選手として水戸ホーリーホックに所属し、Jリーグデビューを果たす。2010年シーズンより川崎フロンターレに入団。2014年10月に日本代表に招集され、キリンチャレンジカップに出場。

■オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/kobayashi-yu11/

川崎フロンターレ

神奈川県川崎市をホームタウンにするプロサッカークラブ。1999年からJリーグに参加し、2000年にJ1昇格。2001年から2004年にJ2降格するも、2005年にはJ1復帰。「フロンターレ」は、イタリア語で「正面」の意味で、常に正面から正々堂々と戦う姿勢を表現している。2016年のチームスローガンは「CHALLENGE THE FUTURE」。

■公式サイト
http://www.frontale.co.jp/

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