スポーツ食育インタビュー

Vol.19 前編 INAC神戸レオネッサ 髙瀬愛実選手

今回はなでしこJAPAN日本代表で、2014年夏のなでしこオールスターではサポーター投票で見事最多得票を獲得した、なでしこリーグINAC神戸レオネッサ主将の髙瀬愛実選手にお話をうかがいました! 髙瀬選手のフィジカルの強さは、どのような食生活によって作られたのでしょうか?

野菜がきらいだった子ども時代。朝食に魚は欠かせない!
インタビューを受ける髙瀬愛実選手

編集部:「高校までは北海道で育ったとのことですが、子どものときは好ききらいはありましたか?」

髙瀬選手:「小さいころは基本的に食わずぎらいで、好ききらいが多かったです。野菜を食べなかったり……。好きな物しか食べなかったですね。肉とご飯ばかりでした(笑)。魚も好きだったのでタンパク質はしっかりとっていましたが、本当に野菜がダメでした。」

編集部:「今も野菜を食べられないのですか?」

髙瀬選手:「いえ、今は食べなきゃという気持ちもあり、サラダでも何でも食べるようになりました。今でも唯一(ゆいいつ)嫌いな野菜はナス。でも最近は、味を工夫したら何とか食べられるようになりました。」

編集部:「では、好ききらいはどのように克服(こくふく)したのでしょうか? ご両親は食べなくても許してくれましたか?」

髙瀬選手:「いえいえ! うちの親は厳しかったので、食べるまで席を立たせてもらえませんでした。ただ野菜だけでなくドレッシングも苦手だったので、特に生野菜は苦労しました。温野菜にしてもらう方が食べやすかったのでそうやって食べるようにしてました。」

ひさこ先生の栄養ポイント

温野菜は色の濃い野菜も食べやすくなり、量も生よりたくさんとれるのでとても良い方法です! ただ、“生”の良さもあるので、生野菜と加熱した野菜料理の両方を食べるようにするのが理想です。
ドレッシングが苦手とのことですが、おいしいといわれているドレッシングは脂質が多いので、アスリートにとって全く問題ありません。むしろ、ポン酢しょうゆ、塩+レモン汁、味噌を付けるなど自分に合ったものを見つけることをおススメします。ドレッシングをたっぷりかけて生野菜を召し上がるよりも、栄養的にもよいと思います。

髙瀬愛実選手

編集部:「特に好きな食べ物は何でしたか?」

髙瀬選手:「料理名で言えば、オムライスが好きです! 小さい時はとにかくお肉とご飯ばっかり食べていました。兄弟が多かったので、基本大皿に盛られて取り合いながら食べる感じでした。」

栄養ポイント

“一人盛り”だと自分の食べるものの量が把握(はあく)できたり、好きなものだけを選ぶことがないという利点はありますが、育成年代のスポーツ選手にとってはある程度“食べるスピード”が大事になってくることもあるので、兄弟で大皿から取り合って食べるというのは良い経験でしたね!

編集部:「朝ごはんの主なこんだては?」

髙瀬選手:「朝ごはんは和食でした。ご飯におみそ汁に魚が定番。あと、納豆とか。私は小さいころからご飯・魚・みそ汁の3つがそろったメニューが大好きで、朝ごはんの魚だけは母にワガママを言って、いつも出してもらっていました。一番好きなのはサンマで、季節になるとよく食べていましたね。他の兄弟はパンとかあるものを食べていたんですけれど、末っ子の特権か、私だけ特別あつかいだったのかもしれません(笑)。」

栄養ポイント

骨の多い魚はとかく嫌われがちですが、実はサンマなどの“青魚”には肉には含まれていないDHAやEPAといった栄養成分も豊富。「朝からサンマ!」はおススメです! 朝食欠食、あるいは食べても“菓子パンだけ”などのかたよった朝食摂取(せっしゅ)が心配されている中、“朝食しっかり”は理想的です!

おやつはチーズ、おにぎり、うどん! 牛乳もたくさん飲みました。
インタビューを受ける髙瀬愛実選手

編集部:「小学生のころの体格はどんな感じでしたか? いつごろから大きくなりましたか?」

髙瀬選手:「細くはなかったかもしれませんが、4年生くらいまで小さかったです。5、6年生になって急にのびました。牛乳を飲むと身長がのびるって本当ですか(笑)? 髙瀬家は牛乳をよく飲む家でした。普通の家より飲んでいたかも。私も牛乳大好きだったので、下校して家に帰ってまず牛乳。北海道は牛乳が美味しいから、よく飲んでいました。」

栄養ポイント

残念ながら、牛乳を飲んでいれば背がのびるという訳ではなく、身長に関わる一番の要素は遺伝(いでん)です。でも、骨の材料になるものをしっかりとっていなければ当然影響されるので、成長期に牛乳を飲んでいたのは良いことです。ただ、牛乳を飲んだら飲んだだけ身長がのびるわけではないので、“水代わり”に飲むことには問題もあります。

編集部:「他の乳製品もよく食べていましたか?」

髙瀬選手:「小さい頃は、さけるチーズをよく食べていました。母と一緒(いっしょ)に全部むいてからつまんで食べてた記憶が。それはおやつによく食べてました。うちは、おやつにおかしはほぼ出てこなかったですね。小腹が空いたら家にあるもの食べなさいと言われていて、それこそ大好きな納豆だったりチーズだったり。」

編集部:「補食(ほしょく)として食べる感覚だったんですね。」

髙瀬選手:「そうですね、学校から帰っておなかすいたら、おにぎりとか冷凍うどんサラッとゆでて食べてました。」

栄養ポイント

おにぎりや冷凍うどん、冷蔵庫の納豆やチーズがおやつ! 素晴らしいです! チーズだけでなく、牛乳やヨーグルトなどの乳製品は成長期の選手のおやつにはもってこいです。

つづき
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