スポーツ食育インタビュー

Vol.18 ハンドボールチーム「大崎電気」 東長濱秀希選手 © OSAKI ELECTRIC CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

プロになって、自己管理の意識が変わった
東長濱選手

編集部:「大学を卒業して、すぐこちらのチームに入られたのですか?」

東長濱選手:「新卒で、最初の2年間は社員として午前働いて午後からハンドボールをして、3年目からプロ契約をしました。今年でプロ3年目です。」

編集部:「プロになって、変わったことはありますか?」

東長濱選手:「時間の使い方が変わりました。仕事が無い分、自分の時間として使えるので。食事や健康面は自己管理になるので、そこの意識が変わりましたね。」

編集部:「何時間くらい練習しているのですか?」

東長濱選手:「今は合宿中で、午前中2時間半、午後から2時間半で1日5時間くらい。ふだんは2時間半から3時間くらいです。」

編集部:「食事指導や栄養管理は受けていますか?」

東長濱選手:「チームに栄養大の人達が来て、栄養管理をしています。食べているものに関して何が足りないとか、こうしたら良いというアドバイスをしてくれます。シーズンオフの時や試合の時に食事の記録をとって、それに対してケースバイケースで指導をしてくれます。身体を大きくしたかったらどういう食事をしたら良いだとか、試合後の疲労回復にはどういうものをとれば良いとか。
栄養指導を受けられるのは良いですね。自分は線が細いので体重を増やしたいんだけれど、筋肉量を増やしたい、脂肪はつけたくないと伝えて指導してもらいました。全体的な量が少ないみたいです。」

伊藤先生:「脂肪はあまりとらないようにしつつ、タンパク質をしっかりとるようにしないといけないですね。たとえばお肉はササミにしたり、豚肉でもアブラ身の少ない部位にしたりとか。」

編集部:「海外遠征(えんせい)などでの食事はいかがですか?」

東長濱選手:「高校や大学の頃とかは食事が合わなくて、食べられるものだけしか食べなかったり、持って行ったものを食べたり大変でしたね。最初に行った時は体重5キロくらい落ちちゃいました。
今はそんなことなくなりましたね。全日本の遠征ではアジア方面が多く、タイやサウジアラビアに行きましたが、そう困らなかったです。長期の時はご飯とかレトルト食品を持ち込みますし。」

編集部:「胃腸は丈夫なほうですか?」

東長濱選手:「そうだと思います。健康だし、大きな病気をしたこともありません。」

伊藤先生:「子どものころからずっとしっかり食べてきたので、ケガをしない強いからだが作られたのでしょうね。」

伊藤先生に質問! 「夜、遅い時間の食事は大丈夫?」
東長濱選手と伊藤真理子先生

編集部:「では、管理栄養士の伊藤先生にご質問はありますか?」

東長濱選手:「今も体重増やそうと思っているのですが、結構おそい時間に食べてしまうんです。」

伊藤先生:「夜おそい時間は、人間は眠る方向に身体の動きが働いていくので、代謝の働きも落ちていく。だから胃に負担がかかる重たいものを食べてすぐ眠ると、次の朝の胃もたれにつながって食欲がなくなる、という悪循環(あくじゅんかん)になります。消化に時間のかかるものはさけたいですね。」

東長濱選手:「夜はアブラっぽいものは食べないので、とり肉やサラダを食べています。」

伊藤先生:「食べて3時間以上は空けてから寝るのが好ましいです。ただ睡眠時間が減ってしまっても良くないので、難しいですね。寝る時間を優先して、しっかりつかれを取ることも大事だと思います。夕食が遅くなりそうだったら、食事の一部だけでも夕方に食べられたら良いと思います。」

東長濱選手:「へえ、分けて食べていいんですか?」

伊藤先生:「“分食”という方法です。ご飯だけでも夕方に食べておいて、帰ったら軽めのおかずを食べると胃の負担も軽減されます。」

色々なことを経験して、楽しんで!
東長濱選手

編集部:「最後に、子どもたちにメッセージをお願いします。」

東長濱選手:「自分はハンドボールしかやっていませんでしたが、子どものころは色々なこと、様々なスポーツをした方が良いと思います。一つの事に打ち込む事も良いとは思いますが、色々な経験してほしいですね。その中で、自分が一番やりたいことを早めに見つけてほしいです。」

編集部:「保護者の方にアドバイスをお願いします。」

東長濱選手:「うちはハンドボール一家だったんですが、まわりの人も家族ぐるみで応援してくれた。試合の後に色々言われたりもしましたが、やはり応援して見守ってくれると力になります。子どもはしっかりと見守ってあげてください。」

インタビュー後、午後の練習を間近で見学させていただきました。想像以上にシュートスピードが速く、カメラマンはシャッターチャンスに苦労していました。東長濱選手ははげしい運動量を感じさせないほど自然で流れるようなプレイで、存在感を放っていました。東長濱選手の今後ますますの活躍を期待しています!
取材日:2014年6月26日
写真提供:大崎電気
選手&チームのご紹介
東長濱秀希(ひがしながはま ほずき)選手

1987年11月21日生まれ、沖縄県出身。186cm・80kg。日本大育大学卒業後、2010年大崎電気入り。右バックから左サイドへのパス回しによる、大きな展開を得意とし、日本代表として活躍。第3回社会人ハンドボール選手権大会ベストセブン選出、ロンドンオリンピック世界最終予選、第15回男子アジア選手権、第68回国体埼玉出場。兄は、琉球コラソンの東長濱秀作選手。

大崎電気

1960年の創部以来、日本リーグ2回、全日本総合10回、全日本実業団は不滅の10連覇を含む15回、新設の全日本社会人で1回、国民体育大会も19回の優勝を飾るなど、つねに日本ハンドボール界をリード。
チームのセカンドネームは「OSAKI OSOL」で、「OSOL(オーソル)」は、イタリア語で「地球の核」を意味する。埼玉県入間郡三芳町を本拠地としている。

公式サイト:http://www.osaki-osol.net/

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