スポーツ食育インタビュー

Vol.17後編 FC岐阜 川口能活選手 サカイク×ごはんだもん!げんきだもん!コラボ企画

今回は、今季から「岐阜のJ1昇格のためにすべてをささげる思い」でJリーグFC岐阜へ移籍されたゴールキーパーの川口能活(かわぐちよしかつ)選手に、サッカー選手としての食への関わりや大切さについてお話しいただきました。
【サカイク-ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト】

太りやすい体質をコントロールして、栄養バランスを取る!
川口能活選手とひさこ先生

編集部:「プロになってから食生活で気をつけられているのはどんな点ですか?」

川口選手:「僕は太りやすい体質なので、脂ものは極力控えています。ご飯、パスタなどの炭水化物をメインに、お肉や魚、サラダ、フルーツなどバランスの良い食事をとるように心がけていますね。あとは三食しっかり食べて、間食をしないようにしています。乳製品もとるのですが、無脂肪か低脂肪牛乳を選んで飲んでいます。」

ひさこ先生:「私も選手には低脂肪牛乳を飲むようにすすめています。飲みなれていない選手からは味がなくておいしくないと言う声が上がることも事もあるのですが、なれてしまえばそっちの方がおいしいと言われる事もあります。こだわりが強い選手は川口選手のように無脂肪を選ぶこともあります。 アスリートにも一ぱんの人も、エネルギー源となる主食は大事なのに、太りやすいからとごはんをひかえる選手もいるなかで、太りやすい体質と言われたにも関わらず、炭水化物、タンパク質をしっかりとるのはさすが川口選手ですね!」

川口選手:「体重管理をしているんですけど、ある程度、炭水化物をとらないと体重を維持(いじ)できないんですよね。炭水化物をとらないとエネルギーにもなりませんし。」

ひさこ先生:「一生懸命なお母さんであればあるほど、『私がしてあげられるのは食事でのサポート』という意識が強く、『ご飯は食べなくてもいいから、おかずをしっかり食べなさい』となりがちですが、今の川口選手の言葉は、とても良いメッセージになると思います。」

編集部:「ちなみに、乳製品だとヨーグルトは食べられますか?」

川口選手:「好きですよ。朝食の時にフルーツと一緒に食べるとおいしいですね。家では牛乳ですませてしまうことが多いのですが、遠征(えんせい)のバイキングではよく出てくるので、絶対とりますね。海外に行っても味が変わらないので、安心して食べられるのはうれしいです。」

ひさこ先生:「ヨーグルトは小腹がすいたときや、スイーツ代わりにも利用できるので、甘いものを食べたいけれど、ちょっと後ろめたい……なんて言うときでもおススメですね!また、牛乳やヨーグルトは、多くの栄養素がふくまれていますが、ビタミンCはふくまれていないと言われています。もし、フレッシュフルーツを一緒に食べるとその弱点もクリアできますね~。」

食事に気をつけていたからこそ、ケガを乗り越えられた。
インタビューを受ける川口能活選手

編集部:「栄養の知識はどのように身につけたのですか?」

川口選手:「最初はトレーナーの方に教わったんですが、実践(じっせん)してみたら身体のキレであったり、脳への伝達であったり、違いを実感しました。」

ひさこ先生:「“身体の声をきくことは大事!”と言われているように、生活習慣を変えたら、その影響を注意深く見ることはとても大事だと思います。そして、具体的に食事に気をつけることで“差”を実感できたら良いですね!」

川口選手:「毎朝、ごはんとおみそ汁と魚とサラダを食べていて、それでも足りなかったら、豆腐などタンパク質を一品増やすんですけど、食べないと力がわいてこないんですよね。海外に行った際にその事を話したんですが、『朝からそんなに食べてどうするんだ?』とみんなにビックリされましたが、それ位食べないとダメなんですよ。食べないで練習すると、ケガするかも… …と不安にもなります。夜寝る前と朝起きての体重を比べるとやっぱり落ちているんですよ。(体重が)落ちたまま練習をすると、さらに落ちてしまうので、食事でバランスをとっているイメージですね」

ひさこ先生「すばらしいですね!サッカー選手は選手寿命が短いと言われることもありますが、川口選手が長く現役を続けていらっしゃられるのは、そういった徹底(てってい)した食生活があるからなんですね」

川口選手:「食事の大切さというのはすごく感じていますね。二回大ケガしても現役にもどれているのは、若いころから食事に気をつかってきたからだと思います。」

海外でもたくわんとみそ汁は必ず食べていました!
川口能活選手 © Kaz Photography / FC GIFU

ひさこ先生「イギリスとデンマークでも食事には気をつけていたのですか?」

川口選手:「炊飯器(すいはんき)を持っていって、自すいしていました。みそ汁に関しても、イングランドにいた時はロンドンにある日本食のスーパーで買っていましたし、デンマークにいた時もコペンハーゲンにあるアジア系のお店でみそを買っていました。たくわんとみそ汁は必ず食べていましたし、野菜サラダも自分で作ったり、魚も焼いていましたね。お米に関しては一度、現地のお米を試してみたんですが、まったく違うご飯になってしまったので、絶対に日本のお米でないとダメだなと思いました(笑)。」

編集部:「試合の日は食生活を変えたりしていますか?」

川口選手:「13時キックオフの試合でも、絶対に食べますね。朝はごはん、みそ汁にお肉か魚とサラダ、乳製品。あんまりお腹に入ったまま、プレーすると気持ち悪くなるので、試合開始の3~4時間前にとる軽食はおにぎりとバナナなどで、多くは食べません」

ひさこ先生:「私が選手やジュニア年代の選手や保護者の方に話をする時の大前提は、『試合の日はキックオフの時間から逆算して、食事のスケジュールを立てる!』ということです。川口選手がおっしゃっているように、試合の3~4時間前までにおにぎりやうどんなどの軽食を食べることをすすめています。その上で、途中で空腹感があったら、試合までの時間を見ながら、バナナやあんぱん、またはエネルギーゼリーなどをと摂るようにしたら良いと思います。」

つづき
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