スポーツ食育インタビュー

Vol.17前編 FC岐阜 川口能活選手 サカイク×ごはんだもん!げんきだもん!コラボ企画

今回は、今季から「岐阜のJ1昇格のためにすべてをささげる思い」でJリーグFC岐阜へ移籍されたゴールキーパーの川口能活(かわぐちよしかつ)選手に、サッカー選手としての食への関わりや大切さについてお話しいただきました。
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野菜が苦手だった小学生時代。母の工夫で好ききらいを克服!
インタビューを受ける川口能活選手

編集部:「幼少期に好き嫌いはありましたか?」

川口選手:「野菜があまり好きではありませんでした。カレーは好きだったんですが、入っているジャガイモとか玉ねぎをよけて食べるような子どもでした。
でも、小学校1年生くらいの時に頑張って食べてみたら、カレーの味が染みていて美味しかった。その辺りから、野菜が食べられるようになりましたね。最初のうちは好んで食べるというより、母親から『身体に良いから野菜を食べなさい』と言われていたので、義務(ぎむ)的に食べている感じでした。でも、食べているうちに野菜が好きになったし、レタス、キュウリ、トマトなど野菜がつねに食卓にないと違和感(いわかん)があるようになりました。」

編集部:「小学生の頃は親に言われても、野菜を食べる事は難しいかと思います。そのころから栄養を意識的にとろうという気持ちがあったのですか?」

川口選手:「当時はまったくありませんでした。自分がおいしいと思う物を食べていただけですね。僕は静岡の生まれで海が近く、小さい頃からシラスなど魚をよく食べていました。お肉にしても煮たり焼いたりが中心で、あぶらっこいお肉を食べた記憶はありません。」

編集部:「周囲の環境に恵まれていたのですね。」

川口選手:「今思うと、母は食に関して意識してくれていたのかなと思いますね。そういえば、あまりかたよった物は食べてなかったなと。最初はどうしても野菜が食べられなかったんですけど、色々工夫して、調理してくれたおかげで少しずつ食べられるようになったのはありがたいなと思います」

ひさこ先生:「大人になったり、自身が親になったりしてみると、子どもの頃に親がしてくれていたことを思い出したり、感謝したりするものです。そのようにして“大事な食習慣や食文化”が継承(けいしょう)されていくのですね。」

編集部「お母さんのメニューで印象に残っているメニューはありますか?」

川口選手:「さっき話したカレーもそうですし、お味噌汁の中に入っている大根など、味が染み込んでいるものですかね。煮物でもニンジンやタケノコ、しいたけが食べられるようになりました。」

ひさこ先生:「野菜の好ききらい克服のヒントに“しっかり味付けする方法”もありますね!」

急激に成長した中学時代。電車通学と練習でハードな毎日!
川口能活選手 © Kaz Photography / FC GIFU

編集部:「栄養をしっかりとっていて、良かったと思うことはありますか?」

川口選手「中学生の時に急激(きゅうげき)に身長が伸びた時ですね。そして、何より小さいころから大きな病気やケガをあまりした事がなかった。プレーヤーとして今もできているのは幼少期の食育が良かったのかなと思うので、両親には感謝しています。」

編集部:「食べ盛りの中学生時代はどんな食生活を送っていましたか?」

川口選手:「中学の時に僕は、地元である静岡県富士市から静岡市にある東海大一中(現・東海大翔洋中)に通うようになりました。距離があったので電車通学をしており、朝が早かったんですが、その時もごはん、おみそ汁、魚、野菜と一通り食べてから学校に行っていました。お昼のお弁当だけでなく、帰りが夜の8時、9時と遅くても、母が毎日必ず晩ごはんを作ってくれていました。中学まではしっかり食事をとっていましたね。まだ、子どもなのでその間におやつも食べたりしていましたけど(笑)。何もしていなければ太ってしまう食事量だったと思うのですが、サッカーの練習がすごくハードだったので、全部消費していたのかなと思います。」

編集部:「中学時代はそれほどハードだったのですか」

川口選手:「練習もハードでしたが、電車通学も片道1時半くらいかかっていたので辛かったですね。時々、家に帰ってくるなり、そのままパタンとねてしまう事もあるほど、ハードでした。そんな時でもしっかり食事を作ってくれていた母親には感謝していますね。」

編集部:「食事は和食派ですか?」

川口選手:「和食ですね。ずっとご飯派だったので、朝にパンを食べたことはなかったです。時々、パンを食べている父を見て、食べたいなと思うことはありましたが、基本的にはごはんにおみそ汁、魚にサラダというメニューでした。お弁当もごはんに野菜、ソーセージとバランスを考えたメニューを作ってもらっていました。中学の時は本当に親に大変な思いをさせてしまったなと思いますね。」

ひさこ先生:「ここ1~2年は、ユネスコでも“和食”が認められて、世界でも注目の的になってきています。スポーツ栄養学の“目”でみても、“脂質(ししつ)を抑(おさ)えやすい和食”はおすすめです。」

つづき
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