スポーツ食育インタビュー

Vol.13 元女子バレーボールオリンピック日本代表 大山加奈さん(後編)

2004年アテネオリンピックに、バレーボール女子代表チームの一員として活躍し、人気を集めた大山加奈さん。現在は、イベントやテレビレポーター、指導者として、活動の場所を広げています。そんな大山さんの、現役時代の苦労話や、指導者としての考え、そしてこれからの夢や展望について、たっぷりお話をうかがいました!

つかれても食べる。食事もトレーニングの一つ!
バレーボールをする大山さん

編集部:「高3で代表チーム入りして、何か食生活に変化はありましたか?」

大山さん:「当時は、特に栄養指導とかはなかったですね。用意されたものをしっかりと食べて、後は練習が終わったらすぐにオレンジジュースを飲むとか。補食として、ヨーグルトとフルーツジュースが、いつでも食べられるように置いてありました。ヨーグルトは好きで、朝食はもちろん、間食や夜食に食べていましたね。」

ひさこ先生:「練習後にジュースとヨーグルトの準備がされているのは、とても良いことですね。ジュースでは使ったエネルギーの補給と疲労回復のビタミンCが、ヨーグルトでは筋肉のケアのためのたんぱく質が摂れる組み合わせは、理想的です。」

大山さん:「つかれすぎて、食事をしたくないときもありました。特にオリンピック前の合宿は本当にハードで、食欲がわかない。でもそういうときも、つらくても時間をかけても食べてましたね。そういうときはみんな必死で食べてるから、食堂の中がシーンとしてるんですよ。」

ひさこ先生:「まさに、“食べるのもトレーニング”ね。子どもがつかれているから、食べるよりも寝かせてあげようと思う保護者も見かけられますが、私は『辛くても食べられるか』が、強くなれる、選手になれる分かれ目だと思うんです。」

同じケガに苦しむアスリートのために、辛いリハビリを乗り越えた
大山さんとひさこ先生

編集部:「高校卒業後は社会人選手になって、どのような生活になったのでしょうか?」

大山さん:「社会人になってからは、朝食と夕食は寮(りょう)で、昼は社員食堂で社員のみなさんと交流しながら食事をしていました。朝6時くらいに起きて、朝練から始まり、夜は9時くらいまで練習して、その後に治りょうが入るとねるのは深夜1時過ぎ。今考えると、ダメな生活でしたね。そのおかげでオリンピックに出られたのかもしれませんけれど、結果としては腰を痛めてしまったので……。」

編集部:「スランプの時、どのように克服(こくふく)していましたか?」

大山さん:「腰のケガをしたとき、このケガで手術して復帰したアスリートはいない、という話をされたんです。だったら、私がその第一号になればいい、と思って乗り越えることができました。」

ひさこ先生:「とってもポジティブな考えね。」

大山さん:「いえ、ふだんの性格はネガティブなんですよ。落ちるところまでドーンと落ちて、あとはもう上がるしかない! という状況にする。あとはやっぱり『誰かのためにがんばろう』という気持ちですね。手術したときも、同じケガで苦しむアスリートのために、そして応えんしてくれる人のためにがんばれました。」

つづき
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