スポーツ食育インタビュー

Vol.12 プロバスケットボールチーム つくばロボッツ 翁長明弘選手

日本のブロバスケットボールリーグ・NBLに所属する「つくばロボッツ」で活躍する翁長明弘選手。好ききらいなく、何でも食べる子どもだったという翁長選手の、食生活や健康に対する考え方、留学時代の苦労、そしてこれからの希望についてうかがいました!

好ききらいナシ!肉とごはんが大好きな子どもでした。
インタビューを受ける翁長明弘選手

編集部:「小さいころは、どんな子どもでしたか?」

翁長選手:「出身は沖縄で、子どものころはサッカーやバスケットボールをしたり、木に登ったり、外遊びばかりしていました。」

編集部:「食べ物の好ききらいはありましたか?」

翁長選手:「好ききらいはなく、なんでも食べ過ぎるくらい食べてました(笑)。小学生のときの身長は平均以下で、体も細かったのですが、よく食べていましたね。好きな食べ物は、肉とごはん! 野菜でも、なんでも好きです。」

編集部:「思い出に残っている朝ごはんはありますか?」

翁長選手:「朝はガッツリ食べていました。朝はごはんで、 みそ汁は絶対出ていました。おかずは野菜中心で、ゴーヤチャンプルも出てきましたよ。苦いと思いつつ、小さいころから食べていました。
毎朝デザートにヨーグルトを食べていました。バナナを入れたりして。市販のものや、親が牛乳からヨーグルトを作ってくれました。今も好きですよ。」

栄養ポイント

ヨーグルトの働きの「何に注目するか」で、夜食に食べることももちろん有りですが、1日のエネルギー源になる朝食でのヨーグルトもとても良い習慣だと思います。

編集部:「食事について、気をつけていることはありますか?」

翁長選手:「母が栄養士の資格を持っていたので、子どものころから食事について自然と教わっていました。気にしていたのは、食べる順番。肉より先に野菜を食べるように言われていたので、肉から食べたい気持ちをおさえて、野菜から食べていましたね。
大人になった今でも、焼き肉屋に行ってたときなど、まず野菜から食べる、という流れは守っています。」

栄養ポイント

最近は“食べる順番ダイエット”が流行っていますが、これは野菜などを先に食べることで、満腹感を得て“食べすぎ”を防ぐなどの意味があるようです。
子どもが食べる順番を考えなければならないのは、好きなものから食べてしまうと、苦手なものは「もうおなかいっぱい!」となってしまうから。食べる順番を守ると、何でもバランスよく食べることが身に付きますね。

小5からバスケの道へ。身長148cmから180cmに成長!
翁長選手

編集部:「バスケットボールをはじめたキッカケを教えてください。」

翁長選手:「小学5年生から、学校のクラブ活動でバスケを始めました。それまでサッカーも好きで、部活を選ぶ時には迷いましたが、あるときバスケットゴールにシュートをしたら決まって、『気持ちいいな~!』って。それでバスケ部に入部しました。
地元ではバスケがとても盛んで、小6のころマンガの『スラムダンク』を読んでどんどんハマり、さらに父にアメリカのNBAのビデオを観せられて、もう完全にバスケに夢中になりました。」

編集部:「いつごろから、身長がのび始めましたか?」

翁長選手:「中学入学当初は148cmしかなくて、中2まで平均以下の身長でした。中3の半ばから徐々に身長がのび始め、そこから30cmのびて今に至ります。今は180cmありますが、バスケの世界では小さい方です。」

栄養ポイント

『身長を伸ばしたい!』という声は、本人からも保護者からもよく言われることですが、いつその時期が来ても良いように、“成長の材料をしっかりとっておくことの大事さ”を証明された感じですね!

編集部:「中高時代は、どんな食生活でしたか?」

翁長選手:「中高とも朝練がありましたが、朝食はしっかり食べて行っていたので、母も早起きして作ってくれていましたね。朝ごはんだけじゃ足りず、おにぎりも持って行って午前中の休み時間にこっそり食べていました。母は色々なものを作ってくれました。肉も魚も何が出てきても絶対に残さなかったし、何でも食べる健康体でした! 中学の県大会で優勝し、その決勝戦は想い出深いです。」

4年間のアメリカ留学で、挫折(ざせつ)しながら成長した。
翁長選手

編集部:「高校卒業後に海外留学をされましたが、そのころの生活について教えてください。」

翁長選手:「小6のときにNBAのビデオを観て以来、絶対にアメリカに行く! と決意。英語が苦手で成績も悪かったけれど、一生けんめい勉強して、アメリカの2年制ジュニアカレッジに留学。4年間滞在(たいざい)してチームに3年所属(しょぞく)していました。
アメリカの大学は、授業の成績が悪いと試合に出られないんです。合格レベルを下回ると出場停止。だから練習でどんなにつかれて帰宅しても、宿題は絶対にやりました。睡眠(すいみん)もとらないといけないし、そのバランスは難しかったですね。
留学中ブザービート(終了のブザーと同時にシュートを入れること)でチームが逆転勝ちをおさめた試合は、感動的で忘れられません。」

編集部:「食生活には変化がありましたか?」

翁長選手:「海外に行って初めて自炊(じすい)する事になり、とにかく野菜と肉を焼いたら食べられるって感じで作ってました(笑)。朝から必ず野菜と肉を食べていました。特に野菜は意識して食べる様にしていましたね。
そのころ、ごはんを一日8合食べていたんです。一日4食、8合炊きの炊飯器に満タンたいて、ちょうど無くなる計算(笑)。」

栄養ポイント

初めて自炊をする場合、まず大事なことは「ご飯をたく!」です。つまり主食が大事だということです。次に「肉!」となりそうなときに「野菜と肉」とすることは、立派な選択だと思います。

編集部:「現地の食事はいかがでしたか?」

翁長選手:「アメリカでは、みんなピザかハンバーガー、コーラって感じでしたね。それでもスタミナはあるので『スゴいな』って思いました。野菜ばっかり食べていると、『お前はベジタリアンか?』って言われましたよ(笑)。」

編集部:「海外に行って得たものは何ですか?」

翁長選手:「留学経験すべてが、とても良かったと思っています。アメリカでバスケをしていなかったら、今プロでやっていなかったと思う。日本と段違いにレベルが高いのでとても影響を受けたし、濃厚な4年間でした。
挫折(ざせつ)もたくさんありました。実力差を感じることもあったり、ケガや手術もした。高校時代に痛めた腰のヘルニアは、留学先でも2回手術しました。
体幹(たいかん)トレーニングはものすごくやりました。バスケットボールは全身を使うスポーツで、とんで止まって走って・・・後ろ向きにも走るし、だから体幹、バランスが大事だと思います。」

つづき
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