食育スペシャルインタビューVol.7「ルネサスエレクトロニクス高崎・上野由岐子選手(後編)」

Vol.7 後編 ルネサスエレクトロニクス高崎 上野由岐子選

日本の女子ソフトボール界を代表するピッチャー、上野由岐子(うえのゆきこ)選手。前編では、子ども時代の食生活についてうかがいました。
そして今回の後編では、選手としての食生活や、食事に対する熱い思いをたっぷりと語っていただきました!

セルフケアの基本は食事。自分が食べるものに責任を持つこと。
セルフケアの基本は食事。自分が食べるものに責任を持つこと。

編集部:「遠せいで、国内だけでなく海外に行くことも多いと思いますが、そういうときはどのようなものを食べていますか?」

上野選手:「遠せいでは、朝食はバイキングスタイルが多いんですが、最初の1~2年は毎朝同じメニューを食べるくらい、好きなものしか食べていなかった。でもアテネオリンピック以降、食事に対する考え方が変わりました。
アテネオリンピックでは、自分は体調面で失敗した、という意識がありました。だから体調維持(いじ)のために色々な勉強をして、自分の口に入れるものは自分で責任をとれるようにしよう、と考えるようになったんです。
自分が食べたものは、体に直結しています。マッサージをして体をほぐすのも大切だけれど、食事で自分の体をコントロールしてあげないと、すぐに体調に出てしまいますから。」

ひさこ先生:「すごい!『食事で自分の体をコントロールする!』 標語にしたい言葉ですね!。」

上野選手:「セルフケアの根本は、食事にあると思っています。きちんと考えて食事をすれば、お腹もいっぱいになるし、体にもいいし、『自分でしっかり管理している』という意識も生まれる。一石三鳥です(笑)。」

編集部:「具体的に、どのようなメニューを選ぶのですか?」

上野選手:「まずは、炭水化物でごはん。おかずは、たまご・肉・魚・豆の4種類の中から、必ず2種類を入れます。野菜はできるだけ温野菜でとるようにします。生野菜だと、どうしても必要な栄養素をとるために量を食べないといけないので・・・。緑黄色野菜やイモ類、食物せんいが豊富なレンコンなどを意識していますね。栄養価が高いものは、ちょっとでも食べていると安心できるんです。もちろんその日の体調や気分もありますから、量は加減しますけれど。元気でたくさん食べられるときは、生野菜のサラダをたっぷり食べたりもしますよ。」

ひさこ先生:「そういえばアテネのときに、たっぷりのサラダを食べていたのを思い出したわ。」

試合中の上野選手

上野選手:「牛乳が苦手なので、その代わりの乳製品としてヨーグルトはよく食べてます。和食でも洋食でも、食事のプラスアルファにちょうどいい。ホテルの朝食によく出るカットフルーツは、そのままだと食べにくいので、無糖(むとう)のヨーグルトをかけたり。休みの日も手軽だからよく食べますよ。ヨーグルトは体にいいから『間食しちゃった』というざいあく感がないところもいいですよね(笑)。」

編集部:「試合がはじまると、食生活は変わりますか?」

上野選手:「基本は変わりませんが、夕食のときのタンパク質を肉よりも魚、肉の場合もとり肉にするとか、あげ物ではなく焼いた形にしています。
試合後すぐに移動する場合は、やはりゼリー飲料をとったりもしますけど、間食をしすぎて食事がとれなくなるのは、自分にとって一番体がリカバリーしない、最悪のパターンなんです。」

ひさこ先生:「試合の時に何を食べたらいいかたずねられる事が多いのですが、競技種目によって多少ちがいはありますが、基本的な考え方は上野選手のおっしゃる通りです。」

上野選手:「栄養のことも、わからなかったらまず母に聞いています。母は自分のことをアスリートとして見てくれていて、きちんとアドバイスしてくれる。体のことは、手間もお金もケチるな、と。ケチった分だけ、体に代しょうがくるから、しっかりしたものを食べて、その分かせぎなさい、と言われます(笑)。」

つづき
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