食育スペシャルインタビューVol.3「レジスタFC・渡辺泰明監督 金杉伸二代表」

Vol.3 ジュニアサッカーチーム「レジスタFC」渡辺泰明監督 金杉伸二代表

食育情報は、自然と集まってくるんです。
試合風景1

編集部:日ごろ、選手たちに食生活や生活習かんで気をつけるように言われていることはありますか?

渡辺監督:夏に限っていうと、どうしても食欲がわかない。おにぎりなんかはふつうのサイズを2~3個持ってくるんですけど、それだと大きすぎて食べられない。食べる時間も限られているので、1個を3分割したくらいの小さなおにぎりにしてもらって、ちょこちょこ食べるようにすると食べやすくなるから、やってみたら? とアドバイスして、実際にやってくれていますね。

編集部:食事の指導もされているんですか?

試合風景2

金杉代表:1時間くらいかけて遠くから通っている子もいるんですけど、練習が終わると8時前くらいになるんで、そこから帰宅して夕飯を食べると時間がおそくなる。だから夕飯を分けるっていうか、練習後に少し食べて、帰宅してまた食べるように、と言っています。理想をいえば練習後すぐにちゃんと夕飯をとるのがいいんだと思いますが、なかなかできないから。

渡辺監督:練習後30分以内にエネルギー補給するのがいい、と聞いたので、そういう話はしています。特に強制するわけではありませんけど、「やった方がいいんじゃない?」って。

編集部:とても良い工夫ですね。そういったアイディアはどこからですか?

渡辺監督:Jリーグの下部組織に行った卒業生から話を聞いたり、FC東京のユースやジュニアユースに入った卒業生は、栄養指導の久保田先生から聞いたアドバイスを教えてくれたりしています。インターネットや、卒業生からのアドバイスもありますね。

金杉代表:よく食事の話題をしていると、食育の情報が自然と集まってきて、色々得られます。

食事は大切。でも食べることがストレスにならないように。”。

編集部:食べ物に気をつけることが、試合でのパフォーマンスにつながると思われますか?

試合風景3

金杉代表:当たり前の事なんですが、朝ごはんは大事ですよね。集中力や元気がない子に「朝ごはん食べて来てないんじゃないの?」って聞くと、ほとんどの子が食べてない。そういう場合、ゼリー状や固形の栄養補助食品でもいいから食べれば、と言います。本当はご飯やパンなどの主食をとらないといけないんだろうけれど、とにかく朝食をとるように指導したら、多少プレイも良くなってきたように思います。
体育会系って、無理やり食べさせているようなこともあるじゃないですか。とにかく量をたくさんとれ、と。

編集部:食べすぎは良くないですよね。スポーツ栄養学的には、激しいスポーツをする前後は主食(炭水化物)を多めにとって、その分おかずは少なめにっていうことも聞きますね。あとは胃腸にふたんのかかる脂質(ししつ)の多いものはさけた方がいい、とか。

金杉代表:プロ選手がそういう意識をもって食事に取り組むのは、当然なんだと思うんですよ。特にトップアスリートの人は、みんなそうしてるでしょうから。ただ、小学生に食事に気をつけるようにうるさくいうと、逆効果の場合があると思うんです。食べる事を制限されるって、すごい事じゃないですか。食べたくないものを、体にいいからと無理に食べさせたり、食べるのが好きな子どもに、これは食べたらダメだとか。

編集部:そうですね、食べる事がストレスになるのは良くないですよね。

金杉代表:そうなんですよ、むずかしいんです。そこを上手くできたらいいな、とは思ってます。それなので、無理やり食べさせたりする指導はしていないんです。
たとえば無理やり食べさせられるから合宿に行きたくない、となってサッカーまできらいになりかねないから。子どもにとって食事って、本当に大きな事だと思うんですよ。

真面目に一生けん命。当たり前のことを、当たり前にやる。”。
スタジアムにて

編集部:未来あるサッカー少年・少女たちに、一言アドバイスをお願いします。

渡辺監督:当たり前のことなんですが、早ね早起きは大事です(笑)。

金杉代表:食事に関しては、そんなにうるさくいっていないんです。朝食をとらないと動けないとか、昼食にあぶらっこいものを食べたらパフォーマンスに影響してしまうから気をつけるとか、夕食はバランス考えてしっかり食べるとか、当たり前のことだけ。特別な事は何もいってないけれど、当たり前のことを当たり前に感じてくれるように。それだけで、特別何もしていません。

渡辺監督:ふだんから言っている事は、真面目に一生けん命、それだけです。

金杉代表:他からみたら、うちのチームの子たちはなんであんなにがんばれるんだろうとか、走れるんだろうと思われるかもしれませんが、うちは当たり前の事しかやってない。サッカーするのに走るのは当たり前だよね? って。当たり前の事をしているまでなんです。

編集部:その「当たり前」のことがみんな自然にできる、それが『レジスタFC』の強みであり個性なんでしょうね!
本日はおいそがしい中どうもありがとうございました。今後もますますのご活やくをおいのりしています!

レジスタFC
取材日:2012/10/1
チームのご紹介
Jリーグ デイビジョン1 FC東京

レジスタFC
2004年3月創立、埼玉県八潮市のフットサルコートを拠点とし、幼児からU-12まで様々なカテゴリーのクラスに分け、約200名の選手が活動している。「レジスタ」というチーム名は、イタリア語で「指揮者」「演出家」「監督」という意味で、サッカー用語としては「司令塔」の意味もある。自分の考えをきちんと伝える事ができる人、表現できる人を目指して命名。

「レジスタFC」公式サイト
http://www.geocities.jp/registafc2004/

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ダノンネーションズカップとは
10歳から12歳までの小学生年代である少年・少女が
出場する、FIFA公認のU-12世界一を決める
国際サッカー大会です。

ダノンネーションズカップ公式サイト
http://www.danonecup.jp/

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